抑揚形 ―― AでさえBだ、まして〜はなおさらだ
抑揚形は軽いものを先に挙げて、重いものを強調する句法です。「AでさえBなのだから、まして〜はなおさらだ」という形で、「況んや〜をや」が目印になります。
抑揚形 の一覧
| 項目 | 働き | 例(白文) | 読み方 |
|---|---|---|---|
| A且B、況C乎 | AでさえBだ、ましてCはなおさらだ | 死馬且買之、況生馬乎 | 死馬すら且つ之を買ふ、況んや生馬をや |
| A尚B、況C乎 | 且の代わりに尚を使う | 禽獣尚知恩、況人乎 | 禽獣すら尚ほ恩を知る、況んや人をや |
| 況C乎(単独) | ましてCはなおさらだ | 況君子乎 | 況んや君子をや |
項目別の解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。
A且B、況C乎
- 働き
- AでさえBだ、ましてCはなおさらだ
- 例
- 死馬且買之、況生馬乎 → 死馬すら且つ之を買ふ、況んや生馬をや
- ポイント
- 死んだ馬さえ買うのだから、生きた馬はなおさらだ。
A尚B、況C乎
- 働き
- 且の代わりに尚を使う
- 例
- 禽獣尚知恩、況人乎 → 禽獣すら尚ほ恩を知る、況んや人をや
- ポイント
- けものでさえ恩を知る。まして人はなおさらだ。
況C乎(単独)
- 働き
- ましてCはなおさらだ
- 例
- 況君子乎 → 況んや君子をや
- ポイント
- 前の内容を受けて使う。
間違えやすい点
| 読みの決まり | 前半の「且」「尚」は「すら」と読み、後半は「況んや〜をや」で結ぶ。 |
|---|---|
| 強調の方向 | 後半のほうが程度が強い。軽い例を先に置いて、重い結論を導く。 |
| 且 の判別 | この形の「且」は再読文字でも接続詞でもなく「すら」。後に「況」があるかで判断する。 |
入試ではどう問われるか
「すら」と「況んや〜をや」の送り仮名が採点点です。また、この形の「且」を再読文字「まさニ〜ントす」と読んでしまう誤りが多く、後方に「況」があるかどうかで判断してください。
本ページは漢文訓読法の解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
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よくある質問
抑揚形とは何ですか。
軽い例を先に挙げ、重いものを強調する句法です。「AでさえBだ、ましてCはなおさらだ」と訳します。
目印は何ですか。
前半の「且」「尚」を「すら」と読み、後半を「況んや〜をや」で結びます。
「且」を再読文字と間違えませんか。
後方に「況」があれば抑揚形の「すら」です。「況」の有無で判断してください。
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