捕蛇者説 ―― 柳宗元・重税を告発する文章
毒蛇を捕まえる危険な仕事に従事する男の話を通して、重税が猛毒より恐ろしいことを告発した文章です。「苛政は虎よりも猛し」を引いて締めくくられます。
捕蛇者説 の全文と書き下し
| 項目 | 働き | 例(白文) | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 設定 | 永州の野に異蛇があり、猛毒を持つ | 永州之野産異蛇、黒質而白章 | 永州の野に異蛇を産す、黒質にして白章あり |
| 事情 | この蛇を献上すれば税を免除される | 当其租入 | 其の租入に当つ |
| 告白 | 祖父も父もこの仕事で死んだが、やめない | 吾祖死於是、吾父死於是 | 吾が祖是に死し、吾が父是に死す |
| 結論 | 税の苛酷さは蛇の毒より甚だしい | 賦斂之毒、有甚是蛇者乎 | 賦斂の毒、是の蛇より甚だしき者有らんや |
句ごとの解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。
設定
- 意味
- 永州の野に異蛇があり、猛毒を持つ
- 例
- 永州之野産異蛇、黒質而白章 → 永州の野に異蛇を産す、黒質にして白章あり
- ポイント
- 「質」は地色、「章」は模様。
事情
- 意味
- この蛇を献上すれば税を免除される
- 例
- 当其租入 → 其の租入に当つ
- ポイント
- 税の代わりになるため、命がけで捕る者がいる。
告白
- 意味
- 祖父も父もこの仕事で死んだが、やめない
- 例
- 吾祖死於是、吾父死於是 → 吾が祖是に死し、吾が父是に死す
- ポイント
- 「於是」は「これによって」。二代が死んでもやめない理由が主題。
結論
- 意味
- 税の苛酷さは蛇の毒より甚だしい
- 例
- 賦斂之毒、有甚是蛇者乎 → 賦斂の毒、是の蛇より甚だしき者有らんや
- ポイント
- 反語。「蛇より甚だしいものがある」=税のほうが恐ろしい。
押韻・対句と読解の要点
| 「於」の働き | 「死於是」の「於」は原因を示す。場所や比較と取り違えない。 |
|---|---|
| 結びの引用 | 末尾で「苛政は虎よりも猛し」を引き、孔子の言葉に自分の見聞を重ねて結論とする。 |
| 説という文体 | 「説」はある事柄について論じる文体。具体的な話から一般的な主張へ進むのが型。 |
入試ではどう問われるか
結びの反語と、「苛政は虎よりも猛し」の引用が問われます。また、なぜ二代が死んでもこの仕事をやめないのか、その理由を説明させる設問が定番です。
本ページは作品解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
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よくある質問
「捕蛇者説」の作者は誰ですか。
唐の柳宗元です。唐宋八大家の一人です。
何を告発した文章ですか。
重税の苛酷さです。毒蛇より税のほうが恐ろしいと訴えています。
末尾で何を引用していますか。
『礼記』の「苛政は虎よりも猛し」を引いています。
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