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藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・論塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

過ちては則ち改むるに憚ること勿れの意味と使い方|例文・誤用・類語・中学受験問題を解説

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「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」とは、間違いに気づいたなら、体面やためらいにとらわれず、すぐに改めなさいという教えです。 読み方は「あやまちては、すなわちあらたむるに、はばかることなかれ」。失敗しない人になれではなく、修正できる人になれと説きます。

古い表現を区切って読む

語句意味
過ちては間違ったなら、過失を犯したなら
則ちその時には、すぐに
改むるに間違いを正すことについて
憚ること勿れ遠慮したりためらったりしてはいけない

間違いを認めると、自分の評価が下がる、以前の発言と矛盾する、謝るのが恥ずかしい、と感じることがあります。しかし誤りを知りながら放置すれば、影響は広がります。この言葉は、誤りそのものより、知った後の態度を重視します。

「すぐ改める」は、考えずに意見を変えることではありません。事実を確認し、何が誤りだったか、誰へ影響したか、どう修正するかを明らかにして行動します。

読解の要点:反省する気持ちだけでなく、訂正・謝罪・再発防止という行動まで含めて読みます。「間違いを隠す」と「間違いを認めて直す」の対比が主題になります。

『論語』学而の教え

この句は『論語』学而の一節として知られます。「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」という書き下しは、過失を犯した時に改めることをためらわない姿勢を示します。

出典を覚えるだけでなく、なぜ人は改めることを憚るのかを考えましょう。自尊心、立場、損失への恐れが訂正を遅らせます。だからこそ、早い訂正を弱さでなく誠実さとして評価する仕組みが必要です。

自然な使用例

例文1 答案の見直し

「解説を読んで自分の根拠が違うと分かった。過ちては則ち改むるに憚ること勿れで、誤答ノートを書き直した。」

例文2 発言の訂正

「委員長は数字の誤りを翌日訂正し、全員へ謝った。その態度は過ちては則ち改むるに憚ること勿れを実践している。」

例文3 友人関係

「相手の話を誤解して責めたと気づき、言い訳せず謝った。」

気持ちだけでなく、関係を修復する行動があります。

例文4 研究

「新しい証拠が仮説と合わなければ、過ちては則ち改むるに憚ること勿れと考えて結論を修正する。」

例文5 組織

「誤った案内を隠さず、訂正版と原因を公開した。」

信頼は無謬性より、修正の透明性によって守られる場合があります。

誤用と注意点

誤用1 確認せず何度も変える

根拠のない気分で方針を変えることではありません。誤りを確認してから改めます。

誤用2 謝れば責任が消える

訂正と謝罪は必要ですが、被害の回復や再発防止も必要です。

誤用3 他人だけへ命じる

相手へ「早く認めろ」と迫るより、自分の誤りを改める自戒として使うのが基本です。

誤用4 過去の判断をすべて責める

当時得られた情報では合理的だった判断もあります。新情報による更新と、当初からの不注意を区別します。

似た表現との違い

過ちて改めざる、是を過ちと謂う

間違いをしても改めないことこそ本当の過ちだという『論語』の近い教えです。

失敗は成功のもと

失敗を生かして成功へつなげる教えです。訂正をためらわない倫理より、学習効果に重点があります。

覆水盆に返らず

一度起きたことは元へ戻らないという意味です。戻せない影響があっても、今できる修正はためらわないという両立が必要です。

朝令暮改

命令や方針が頻繁に変わり定まらないことへの批判です。根拠ある訂正とは異なります。

中学受験・作文への応用

物語文では、間違いを指摘された人物の表情、沈黙、言い訳、その後の行動を追います。恥ずかしさがあっても訂正する心情は、「何も気にしていない」ではなく、葛藤を乗り越えた誠実さです。

作文では、①最初の判断、②誤りに気づいた根拠、③ためらった理由、④実際の訂正、⑤再発防止を書きます。成功談だけでなく、間違いを修正した過程を具体化しましょう。

漢字・漢文

「憚る」は「はばかる」で、遠慮する・ためらう意。「勿れ」は「なかれ」と読み、禁止を表します。「則ち」は「すなわち」です。原文の語順を保ちながら、現代語へ一部分ずつ直します。

中学受験で「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」をどう問われるか

入試では、意味をそのまま答えるだけでなく、前後の状況に合う用例を選ぶ問題、似た表現と区別する問題、短文を作る問題に発展します。「知っているつもり」から一歩進み、誰が、どのような状況で、何を評価するために使った言葉かを説明できるようにしましょう。

問題1 意味と文脈

「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」を使える場面を自分で一つ考え、①出来事、②話し手の評価、③このことわざを選ぶ理由、の三点に分けて説明しなさい。

解答の確認方法:出来事だけでなく、文字どおりではない意味が状況と結びついているかを確認します。「過ちては則ち改むるに憚ること勿れだからです」と同じ言葉を繰り返すだけでは説明になりません。

問題2 誤用を直す

この記事の誤用例から一つを選び、どの条件が不足しているかを示した上で、自然な一文へ書き換えなさい。

採点の観点:誤りを「何となく変」とせず、主語、場面、評価の方向、程度、比喩のいずれが合わないのかを明示します。修正文では「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」の意味が前後から推測できるようにします。

問題3 比較記述

「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」と、記事中で紹介した類似表現の一つは、どこが同じでどこが違いますか。60字以内で説明しなさい。

解答の型:「どちらも〜を表すが、過ちては則ち改むるに憚ること勿れは〜に重点があり、もう一方は〜に重点がある。」共通点と相違点の両方が必要です。

家庭で定着させる四段階学習

第一段階:一行の意味を自分の言葉へ直す

辞書の説明を丸暗記した後、本文を閉じて小学生にも分かる言葉で説明します。言い換えられない部分があれば、まだ理解が曖昧です。「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」を構成する語の文字どおりの意味と、表現全体の意味を分けると整理できます。

第二段階:使える場面と使えない場面を対にする

正しい一文だけでなく、似ているけれど使えない一文も作ります。誤用を作る学習は、意味の境界を見つける作業です。保護者は「どの言葉が加われば自然になるか」「反対の評価なら何と言い換えるか」と質問してください。

第三段階:短い物語へ入れる

登場人物、出来事、結果を決め、最後に「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」が自然に入る80〜120字の物語を作ります。表現だけが突然現れないよう、意味を支える出来事を先に書くことが大切です。作文力と語彙力を同時に鍛えられます。

第四段階:一週間後に再テストする

読んだ直後の正解は短期記憶かもしれません。一週間後に、読み「あやまちてはすなわちあらたむるにはばかることなかれ」、意味、正用例、混同しやすい表現を何も見ずに答えます。間違えた項目だけを戻ることで、復習時間を抑えながら長期記憶へ移せます。

選択肢問題で確認する四つのずれ

確認点典型的な誤答見直し方
主語誰の状態・行動かが本文と違う表現されている人物を指で確認する
評価の方向肯定と否定、称賛と批判が逆前後の感情語や接続語を見る
程度「少し」を「必ず」「完全に」と強める断定語と限定語を比較する
場面字面は似ているが必要条件がない過ちては則ち改むるに憚ること勿れが成立する出来事を言葉にする

選択肢に「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」と同じ語が含まれていても、それだけで正解にはなりません。本文の状況を一度短く言い換えてから選択肢を比べると、部分一致の罠を避けやすくなります。

よくある質問

「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ」は慣用句ですか、ことわざですか

本記事ではJMdictの掲載内容を確認し、「ことわざ」として扱っています。教材によって大きな「慣用表現」の単元へまとめられる場合はありますが、記事内では分類を明示して学びます。

読み方はどうなりますか

「あやまちてはすなわちあらたむるにはばかることなかれ」と読みます。漢字だけでなく、送り仮名や助詞を含む表現全体で覚えてください。

意味を一つだけ覚えればよいですか

まず中心的な意味を覚えます。その上で、肯定・否定の方向、使える相手、程度の強さなど、記事で説明したニュアンスも確認してください。文脈問題ではこの差が問われます。

作文に入れれば評価されますか

難しい言葉を入れただけでは評価は決まりません。表現に合う具体的な出来事があり、前後の文と自然につながることが重要です。無理に使うより、意味を正確に伝えることを優先します。

どのように復習すればよいですか

読み、意味、正用、誤用、類似表現の五項目でカードを作り、翌日・一週間後・一か月後に確認します。間違えた理由も短く記録すると、語彙問題だけでなく読解の選択肢分析にも役立ちます。

まとめ

「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ(あやまちてはすなわちあらたむるにはばかることなかれ)」を使える知識にするには、意味を暗記するだけでなく、文字どおりの表現との違い、使える状況、誤用、類似表現との境界まで説明する必要があります。例文を自分の経験へ置き換え、正しい文と誤った文を対にして復習しましょう。

中学受験では、語彙は独立した知識問題にとどまりません。人物の心情、筆者の評価、選択肢の微妙な違いを捉える土台です。一語を深く学ぶ習慣が、物語文・説明文・作文のすべてにつながります。

参考資料・編集方針

例文・誤用分析・練習問題は日本国語塾TOPのオリジナルです。個別の語源や初出を確認できない場合は推測で補わず、断定を避けています。2026年7月30日確認。

執筆・編集:日本国語塾TOP
日本国語塾TOPは、藤原進之介が代表を務める数強塾グループの国語専門塾です。語彙を暗記で終わらせず、本文根拠・選択肢・記述へつなげて指導します。
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