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藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・論塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

おごる平家久しからずの意味と使い方|例文・誤用・類語・中学受験問題を解説

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「おごる平家久しからず」とは、権力や成功を誇って思い上がる者の繁栄は、長く続かないということわざです。 読み方は「おごるへいけ、ひさしからず」。『平家物語』冒頭の「驕れる人も久しからず」を背景に、栄枯盛衰を説きます。

「おごる」の意味を取り違えない

表記意味
驕る地位・力・成功を頼み、思い上がる
奢るぜいたくする。また人の代金を払う
平家物語で繁栄と滅亡を象徴する一族
久しからず長くは続かない。「ず」は打消し

このことわざの中心は、食事代を出す「おごる」ではなく、成功によって他人を軽んじる「驕る」です。権力を持つことや成功すること自体を否定していません。成功を永遠だと思い、忠告を聞かず、周囲へ横柄になる態度を戒めます。

『平家物語』冒頭には、栄えて思い上がる者も長くは続かず、春の夜の夢のようだという無常観が示されます。平家だけの歴史知識で終わらず、成功と謙虚さの関係を考える表現です。

読解の要点:衰退の原因が「成功そのもの」なのか、「成功後の驕り」なのかを区別します。本文に忠告の無視、民衆への圧迫、油断などの根拠があるか確認します。

自然な使用例

例文1 試合後

「連勝した選手が練習を怠れば、おごる平家久しからずになりかねない。」

成功後の油断への警告です。

例文2 組織

「市場を独占した会社が利用者の声を無視した結果、支持を失った。おごる平家久しからずである。」

力を背景に相手を軽視した因果があります。

例文3 自戒

「模試で一位になった時こそ、おごる平家久しからずと考え、誤答を見直した。」

他人への批判でなく自分の姿勢を整えています。

例文4 歴史の考察

「大きな権力を得た後に反対意見を排した政権の衰退を、おごる平家久しからずという観点から読んだ。」

比喩を歴史分析の入口にしています。

例文5 作品評

「主人公は成功後に仲間を見下し、最後には孤立した。おごる平家久しからずを描く物語だ。」

人物の変化と結末を主題へ結びつけています。

誤用しやすい場面

誤用1 人に食事をおごる

「今日は友達に昼食をおごったので、平家久しからずだ」は同音異義語の混同です。

誤用2 成功者は必ず滅びる

努力や成功そのものを否定しません。驕り、油断、他者軽視が問題です。

誤用3 失敗した人をあざ笑う

相手の不幸を喜ぶ言葉として使えば、自分自身が驕る態度になります。教訓は自戒に向きます。

誤用4 一時的な不運だけに使う

雨で試合が中止になったなど、驕りと無関係な出来事には因果がありません。

似た表現との違い

盛者必衰

勢いの盛んな者も必ず衰えるという無常を表します。驕りという態度に限らず、栄華一般の移り変わりが中心です。

勝って兜の緒を締めよ

成功後こそ油断せず次へ備えよという教えです。衰退を予告するより、取るべき行動を示します。

実るほど頭を垂れる稲穂かな

学問や徳が深まるほど謙虚になる姿を稲穂にたとえます。「おごる平家」と反対の望ましい態度です。

栄枯盛衰

栄えることと衰えることが移り変わる様子です。個人の驕りを原因としない場合にも使えます。

中学受験での出題ポイント

『平家物語』の冒頭では、祇園精舎の鐘、沙羅双樹の花、春の夜の夢、風の前の塵など、無常を示す比喩が重なります。暗唱だけでなく、それぞれが「栄華は永続しない」という共通主題へどうつながるかを考えます。

物語文では、成功した人物の発言が以前とどう変わったか、忠告へどう反応したかを追います。単なる失敗でなく、驕りが孤立や判断ミスを生んだ因果を説明できるようにします。

作文で使う方法

①成功した事実、②成功後に変化した態度、③見落とした忠告や支援、④起きた結果、⑤謙虚さを保つ具体策、の順に書きます。成功者を批判するだけでなく、自分なら記録・感謝・振り返りをどう続けるか示しましょう。

漢字・古文

「驕る」は「おごる」、「久しからず」は「長くない」の意です。形容詞「久し」の未然形「久しから」に打消しの「ず」が付きます。「奢る平家」と書く例もありますが、思い上がりの意味を明確にするなら「驕る」が分かりやすい表記です。

中学受験で「おごる平家久しからず」をどう問われるか

入試では、意味をそのまま答えるだけでなく、前後の状況に合う用例を選ぶ問題、似た表現と区別する問題、短文を作る問題に発展します。「知っているつもり」から一歩進み、誰が、どのような状況で、何を評価するために使った言葉かを説明できるようにしましょう。

問題1 意味と文脈

「おごる平家久しからず」を使える場面を自分で一つ考え、①出来事、②話し手の評価、③このことわざを選ぶ理由、の三点に分けて説明しなさい。

解答の確認方法:出来事だけでなく、文字どおりではない意味が状況と結びついているかを確認します。「おごる平家久しからずだからです」と同じ言葉を繰り返すだけでは説明になりません。

問題2 誤用を直す

この記事の誤用例から一つを選び、どの条件が不足しているかを示した上で、自然な一文へ書き換えなさい。

採点の観点:誤りを「何となく変」とせず、主語、場面、評価の方向、程度、比喩のいずれが合わないのかを明示します。修正文では「おごる平家久しからず」の意味が前後から推測できるようにします。

問題3 比較記述

「おごる平家久しからず」と、記事中で紹介した類似表現の一つは、どこが同じでどこが違いますか。60字以内で説明しなさい。

解答の型:「どちらも〜を表すが、おごる平家久しからずは〜に重点があり、もう一方は〜に重点がある。」共通点と相違点の両方が必要です。

家庭で定着させる四段階学習

第一段階:一行の意味を自分の言葉へ直す

辞書の説明を丸暗記した後、本文を閉じて小学生にも分かる言葉で説明します。言い換えられない部分があれば、まだ理解が曖昧です。「おごる平家久しからず」を構成する語の文字どおりの意味と、表現全体の意味を分けると整理できます。

第二段階:使える場面と使えない場面を対にする

正しい一文だけでなく、似ているけれど使えない一文も作ります。誤用を作る学習は、意味の境界を見つける作業です。保護者は「どの言葉が加われば自然になるか」「反対の評価なら何と言い換えるか」と質問してください。

第三段階:短い物語へ入れる

登場人物、出来事、結果を決め、最後に「おごる平家久しからず」が自然に入る80〜120字の物語を作ります。表現だけが突然現れないよう、意味を支える出来事を先に書くことが大切です。作文力と語彙力を同時に鍛えられます。

第四段階:一週間後に再テストする

読んだ直後の正解は短期記憶かもしれません。一週間後に、読み「おごるへいけひさしからず」、意味、正用例、混同しやすい表現を何も見ずに答えます。間違えた項目だけを戻ることで、復習時間を抑えながら長期記憶へ移せます。

選択肢問題で確認する四つのずれ

確認点典型的な誤答見直し方
主語誰の状態・行動かが本文と違う表現されている人物を指で確認する
評価の方向肯定と否定、称賛と批判が逆前後の感情語や接続語を見る
程度「少し」を「必ず」「完全に」と強める断定語と限定語を比較する
場面字面は似ているが必要条件がないおごる平家久しからずが成立する出来事を言葉にする

選択肢に「おごる平家久しからず」と同じ語が含まれていても、それだけで正解にはなりません。本文の状況を一度短く言い換えてから選択肢を比べると、部分一致の罠を避けやすくなります。

よくある質問

「おごる平家久しからず」は慣用句ですか、ことわざですか

本記事ではJMdictの掲載内容を確認し、「ことわざ」として扱っています。教材によって大きな「慣用表現」の単元へまとめられる場合はありますが、記事内では分類を明示して学びます。

読み方はどうなりますか

「おごるへいけひさしからず」と読みます。漢字だけでなく、送り仮名や助詞を含む表現全体で覚えてください。

意味を一つだけ覚えればよいですか

まず中心的な意味を覚えます。その上で、肯定・否定の方向、使える相手、程度の強さなど、記事で説明したニュアンスも確認してください。文脈問題ではこの差が問われます。

作文に入れれば評価されますか

難しい言葉を入れただけでは評価は決まりません。表現に合う具体的な出来事があり、前後の文と自然につながることが重要です。無理に使うより、意味を正確に伝えることを優先します。

どのように復習すればよいですか

読み、意味、正用、誤用、類似表現の五項目でカードを作り、翌日・一週間後・一か月後に確認します。間違えた理由も短く記録すると、語彙問題だけでなく読解の選択肢分析にも役立ちます。

まとめ

「おごる平家久しからず(おごるへいけひさしからず)」を使える知識にするには、意味を暗記するだけでなく、文字どおりの表現との違い、使える状況、誤用、類似表現との境界まで説明する必要があります。例文を自分の経験へ置き換え、正しい文と誤った文を対にして復習しましょう。

中学受験では、語彙は独立した知識問題にとどまりません。人物の心情、筆者の評価、選択肢の微妙な違いを捉える土台です。一語を深く学ぶ習慣が、物語文・説明文・作文のすべてにつながります。

参考資料・編集方針

例文・誤用分析・練習問題は日本国語塾TOPのオリジナルです。個別の語源や初出を確認できない場合は推測で補わず、断定を避けています。2026年7月30日確認。

執筆・編集:日本国語塾TOP
日本国語塾TOPは、藤原進之介が代表を務める数強塾グループの国語専門塾です。語彙を暗記で終わらせず、本文根拠・選択肢・記述へつなげて指導します。
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