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時間
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藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・日本国語塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

時は金なりの意味と使い方|「時間=お金」だけではない本当の教え

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「時は金なり」は、時間には金銭と同じように大きな価値があり、失った時間は取り戻せないため、有効に使うべきだということわざです。
「一分ごとにお金が発生する」という狭い意味ではありません。勉強、仕事、休養、家族との時間など、自分に与えられた時間を目的に合わせて大切にする教えです。

「時は金なり」の読み方・分類・基本の意味

項目内容
表記時は金なり
読み方ときはかねなり
分類ことわざ
基本の意味時間は金銭と同じように貴重なので、無駄にせず有効に使うべきだ
英語で知られる形Time is money.

このことわざの中心は「時間の価値」です。お金は使えば減りますが、働いたり貯めたりして再び得られる場合があります。一方、昨日の一時間を今日取り戻すことはできません。その意味では、時間は金銭以上に取り戻しにくい資源だとも考えられます。

ただし、「休む時間は無駄だ」「一分も遊んではいけない」という教えではありません。目的に必要な休養や気分転換は、その後の集中力を保つための大切な時間です。何が有効で何が無駄かは、その人の目的や状況によって変わります。

「時」と「金」は何を表しているのか

「時」は、時計の数字だけではない

ここでいう「時」は、時計で測る分や時間だけでなく、人が何かを経験し、考え、行動できる機会を含みます。受験生なら、授業を受ける時間、問題を解く時間、間違いを直す時間、眠って記憶を整理する時間もすべて「時」です。

「金」は、価値の分かりやすい代表

「金」は、現金だけを指すのではなく、「失いたくない価値あるもの」の代表として置かれています。「時間を売れば必ず利益になる」という意味ではありません。目に見えず、つい浪費しやすい時間の価値を、誰にも分かりやすい金銭へたとえているのです。

読解の要点:このことわざは「時と金が完全に同じ性質だ」と主張する比喩ではありません。「どちらも価値が高く、浪費を避けたい」という共通点を取り出した表現です。

由来とベンジャミン・フランクリン

「Time is money.」という英語表現は、アメリカの政治家・著述家ベンジャミン・フランクリンが1748年に発表した若い商人への助言で広く知られるようになりました。その文章では、働ける時間を怠けて過ごすことは、その時間に得られたはずの収入を失うことだ、という経済的な文脈で説明されています。

日本語の「時は金なり」は、この英語表現を簡潔なことわざの形へ訳したものとして理解されています。「なり」は古風な断定で、「時は金である」という形です。ただし、現在の日本語では経済活動だけでなく、学習、待ち合わせ、締め切り、人生設計など広い場面で使われています。

由来を学ぶときは、「フランクリンが時間の大切さを世界で初めて発見した」と考えないようにしましょう。時間を惜しむ考え自体は、さまざまな文化や時代に見られます。フランクリンの文章は、現在広く知られる英語表現の典拠として重要なのです。

自然な使い方と例文

例文1 勉強の優先順位を決める

「時は金なりというから、分からない問題を一時間眺め続ける前に、解説で考え方を確認しよう。」

時間を短くすることだけが目的ではありません。限られた学習時間で理解を深めるため、方法を切り替える例です。

例文2 待ち合わせの時間を守る

「相手の十分も大切な時間だ。時は金なりを忘れず、遅れそうなら早めに連絡しよう。」

自分の時間だけでなく、相手の時間にも価値があるという使い方です。約束や集団行動では特に自然です。

例文3 会議を整理する

「時は金なりです。報告だけの項目は事前に共有し、会議では意見が必要な論点に集中しましょう。」

短い会議が必ずよいのではなく、参加者全員の時間を、話し合いが必要な目的へ配分する提案です。

例文4 休養を予定に入れる

「時は金なりだからこそ、疲れて能率が落ちたまま続けず、三十分休んでから再開した。」

休むことを浪費と決めつけず、後の時間を有効にする選択として扱っています。

例文5 機会を逃さない

「募集の締め切りは今日だ。時は金なりと考え、迷っている点を確認して期限内に提出した。」

後で取り戻せない機会と時間の関係を表しています。十分な確認をせず急ぐという意味ではありません。

間違いやすい使い方

不自然な例問題点より自然な考え方
時は金なりだから、睡眠はすべて無駄だ。健康と集中に必要な時間まで浪費と決めつけている。必要な睡眠を確保し、起きている時間の質を高める。
一秒を百円で売った。まさに時は金なりだ。比喩を文字どおりの交換率として扱っている。時間に価値があるという共通点を読む。
速く解けば内容を理解しなくてもよい。時は金なりだ。目的を失い、速さそのものを価値にしている。理解という目的に対して効率を考える。
友達と話す時間は利益にならないから無価値だ。価値を金銭的利益だけに限定している。人間関係や心の回復にも時間の価値がある。

「時は金なり」を口実に、相手を急かしたり、休息を否定したりするのは適切ではありません。ことわざは判断の手がかりであり、すべての場面へ機械的に当てはめる規則ではないからです。

似た表現との違い

光陰矢のごとし

月日が矢のように速く過ぎることを表します。「時は金なり」が時間の価値と使い方を中心にするのに対し、「光陰矢のごとし」は時間の経過の速さを中心にします。

歳月人を待たず

年月は人の都合を待たずに過ぎるため、今を大切にすべきだという表現です。「待ってくれない」という不可逆性が強く、「時は金なり」の経済的なたとえとは焦点が異なります。

善は急げ

よいと思ったことは、機会を逃さず早く実行すべきだということわざです。判断後の行動開始を促す表現であり、時間全般の価値を述べる「時は金なり」とは使える範囲が異なります。

急がば回れ

急ぐときほど安全で確実な方法を選ぶべきだという教えです。一見「時は金なり」と反対に見えますが、失敗によるやり直しを減らし、結果として時間を有効にする点では両立します。

作文で使うときの組み立て方

作文でこのことわざを使うなら、結論へ突然置くのではなく、①時間を無駄にしていた以前の状態、②考えを変えるきっかけ、③時間の使い方をどう変えたか、④変化によって何を得たか、の順に書くと説得力が出ます。

たとえば「以前は漢字練習を始める前に、教材選びだけで長い時間を使っていた。そこで、一冊を決めて十五分取り組み、間違いだけを記録する方法へ変えた。時は金なりというように、時間の長さより目的を決めることが大切だと分かった」と書けば、経験とことわざが結びつきます。

反対に、「時は金なりなので時間は大切です。これから頑張ります」だけでは、誰にでも当てはまる抽象的な作文です。何に時間を使い、何をやめ、どのような価値を得たいのかを具体化しましょう。

中学受験オリジナル問題

問題1 意味選択

「時は金なり」の意味として最も適切なものを選びなさい。

  1. 時間はお金を払えば必ず買い戻せる。
  2. 短時間で終わることは、内容にかかわらず常によい。
  3. 時間には大きな価値があるため、目的に合わせて大切に使うべきだ。
  4. 利益を生まない活動には、時間を使うべきではない。

正解は3。1は取り戻せない時間の性質と逆です。2は速さだけを絶対視しています。4は休養や人間関係など金銭以外の価値を無視しています。

問題2 使用場面

最も自然な使用例を選びなさい。

  1. 時計を金色に塗ったので、時は金なりだ。
  2. 授業開始が遅れると全員の学習時間が減るので、準備を済ませて待った。時は金なりだ。
  3. 眠らずに三日間勉強した。時は金なりだ。
  4. 急いで問題文を読まずに答えた。時は金なりだ。

正解は2。時間の価値を意識し、目的に合う準備をしています。1は字面の取り違え、3は必要な休息の否定、4は目的である正確な読解を損なう行動です。

問題3 記述

「急がば回れ」と「時は金なり」が両立する理由を、50字以内で説明しなさい。

解答例:確実な方法を選んで失敗ややり直しを減らすことも、時間を有効に使うことになるから。

採点要素は「確実な方法」「失敗・やり直しを減らす」「時間の有効利用」の三点です。

家庭で深く学ぶための質問

保護者が意味を先に教えるだけでなく、「お金と時間の共通点は何か」「違う点は何か」「休む時間は無駄か」「相手の時間を大切にするとはどういうことか」と問いかけると、比喩を分析する学習になります。

一週間の予定表を見ながら、削る時間だけでなく、増やしたい時間も考えてみましょう。読書、睡眠、家族との会話など、直接点数や収入にならなくても価値のある時間があります。「効率化=すべてを短くすること」ではなく、大切な活動へ時間を配り直すことだと理解できます。

よくある質問

「金」は「かね」と「きん」のどちらで読みますか

このことわざでは一般に「かね」と読み、「ときはかねなり」です。

休憩を取ることと矛盾しませんか

矛盾しません。休憩が集中力や健康を保ち、目的の達成を助けるなら、有効な時間の使い方です。

人を急かすときに使ってよいですか

使えますが、相手の事情を無視すると押しつけになります。自分たちの目的と締め切りを共有した上で使うほうが適切です。

中学受験では由来まで覚える必要がありますか

学校や問題形式によりますが、まず意味と文脈判断が優先です。由来を知ると「金銭的価値」という比喩の背景を理解しやすくなります。

「時間を買う」という表現と同じですか

同じではありません。「時間を買う」は費用を払って移動や作業を短縮する具体的な選択を表せます。「時は金なり」は時間一般の価値を説くことわざです。

まとめ

「時は金なり」は、時間には金銭と同じように大きな価値があるため、無駄にせず目的に合わせて使うべきだということわざです。しかし、あらゆる行動を速くしたり、休養や交流を切り捨てたりする教えではありません。何を大切にしたいかを考え、その目的へ限られた時間を配ることが本質です。

中学受験の語彙問題では、字面だけでなく、比喩の共通点、話し手の目的、似たことわざとの違いまで説明できるようにしましょう。意味を一行で暗記するより、自分の経験を使った例文を作るほうが、読解でも作文でも使える知識になります。

参考資料・出典

例文と入試問題は日本国語塾TOPのオリジナルです。2026年7月30日確認。

執筆・編集:日本国語塾TOP
日本国語塾TOPは、藤原進之介が代表を務める数強塾グループの国語専門塾です。語彙を暗記で終わらせず、本文根拠・選択肢・記述へつなげて指導します。
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