静夜思 ―― 李白・五言絶句
李白の五言絶句。月光を霜と見まちがえるという錯覚から始まり、顔を上げて月を見、顔を伏せて故郷を思う、という動作の対比だけで望郷の情を描き切った作品です。難語がほとんどないため、構成と対句の理解が問われます。
静夜思 の全文と書き下し
| 項目 | 働き | 例(白文) | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 起句 | 寝台の前に月の光が差している | 牀前看月光 | 牀前月光を看る |
| 承句 | 地面に霜が降りたのかと疑う | 疑是地上霜 | 疑ふらくは是れ地上の霜かと |
| 転句 | 頭を上げて山の上の月を望む | 挙頭望山月 | 頭を挙げて山月を望む |
| 結句 | 頭を垂れて故郷を思う | 低頭思故郷 | 頭を低れて故郷を思ふ |
句ごとの解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。
起句
- 意味
- 寝台の前に月の光が差している
- 例
- 牀前看月光 → 牀前月光を看る
- ポイント
- 「牀」は寝台。通行本では「牀前明月光」とする本文もある。
承句
- 意味
- 地面に霜が降りたのかと疑う
- 例
- 疑是地上霜 → 疑ふらくは是れ地上の霜かと
- ポイント
- 「疑ふらくは〜かと」で「〜ではないかと思う」。錯覚を述べる。
転句
- 意味
- 頭を上げて山の上の月を望む
- 例
- 挙頭望山月 → 頭を挙げて山月を望む
- ポイント
- 通行本では「望明月」とする本文もある。
結句
- 意味
- 頭を垂れて故郷を思う
- 例
- 低頭思故郷 → 頭を低れて故郷を思ふ
- ポイント
- 「挙頭」と「低頭」が対になり、視線の動きで心情を示す。
押韻・対句と読解の要点
| 押韻 | 光・霜・郷が韻を踏む。五言絶句では原則として偶数句末(承句・結句)に韻を置くが、この詩は起句にも韻を置いている。 |
|---|---|
| 対句 | 「挙頭」と「低頭」が動作の対になっている。転句と結句の対応が主題を作る。 |
| 本文の異同 | 「看月光/明月光」「望山月/望明月」など、伝本によって字が異なる。教科書の本文に従って答えること。 |
入試ではどう問われるか
「挙頭」と「低頭」の対比が何を表すかを説明させる設問が定番です。上を向いて月を見る動作と、下を向いて故郷を思う動作の落差が、そのまま望郷の情になっている点を答えます。また「疑ふらくは〜かと」の読み方も問われます。
本ページは作品解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
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よくある質問
「静夜思」の作者と形式は。
李白の五言絶句です。
「挙頭」と「低頭」は何を表しますか。
月を見上げる動作と故郷を思って顔を伏せる動作の対比で、望郷の情を表しています。
本文が教科書と違うのですが。
伝本によって「看月光/明月光」「望山月/望明月」などの異同があります。教科書の本文に従ってください。
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