楓橋夜泊 ―― 張継・七言絶句
張継の七言絶句。旅の途中、蘇州の楓橋のあたりに舟を泊めた夜の情景です。視覚・聴覚が交互に重なり、最後に鐘の音が旅人の舟に届いて締めくくられます。
楓橋夜泊 の全文と書き下し
| 項目 | 働き | 例(白文) | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 起句 | 月が沈み烏が鳴き、霜の気が天に満ちる | 月落烏啼霜満天 | 月落ち烏啼いて霜天に満つ |
| 承句 | 川辺の楓と漁火が、旅愁の眠りに向かい合う | 江楓漁火対愁眠 | 江楓漁火愁眠に対す |
| 転句 | 姑蘇の城外にある寒山寺から | 姑蘇城外寒山寺 | 姑蘇城外の寒山寺 |
| 結句 | 夜半の鐘の音が旅の舟まで届く | 夜半鐘声到客船 | 夜半の鐘声客船に到る |
句ごとの解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。
起句
- 意味
- 月が沈み烏が鳴き、霜の気が天に満ちる
- 例
- 月落烏啼霜満天 → 月落ち烏啼いて霜天に満つ
- ポイント
- 視覚(月)・聴覚(烏)・触覚(霜)を一句に重ねる。
承句
- 意味
- 川辺の楓と漁火が、旅愁の眠りに向かい合う
- 例
- 江楓漁火対愁眠 → 江楓漁火愁眠に対す
- ポイント
- 「愁眠」は物思いに沈む浅い眠り。
転句
- 意味
- 姑蘇の城外にある寒山寺から
- 例
- 姑蘇城外寒山寺 → 姑蘇城外の寒山寺
- ポイント
- 「姑蘇」は蘇州の古名。固有名詞で場所を定める。
結句
- 意味
- 夜半の鐘の音が旅の舟まで届く
- 例
- 夜半鐘声到客船 → 夜半の鐘声客船に到る
- ポイント
- 音が届くことで、旅人の孤独が際立つ。
押韻・対句と読解の要点
| 押韻 | 天・眠・船が韻を踏む。 |
|---|---|
| 感覚の重ね方 | 起句だけで視覚・聴覚・触覚を重ねる。結句で再び聴覚に戻り、円環的な構成になる。 |
| 「客船」の意味 | 旅人の舟。詩人自身が乗っている舟を指す。 |
入試ではどう問われるか
「愁眠」「客船」の語義が問われます。「客」は「旅人」で、「客船」は詩人自身の舟です。また、鐘の音が届く結句が旅愁をどう強めているかを説明させる設問も定番です。
本ページは作品解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
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よくある質問
「楓橋夜泊」の作者と形式は。
張継の七言絶句です。
「客船」とは何ですか。
旅人の舟のことで、詩人自身が乗っている舟を指します。
「愁眠」はどういう意味ですか。
物思いに沈んだ、浅く落ち着かない眠りのことです。
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