赤壁賦 ―― 蘇軾・変化と不変を論じる名文
蘇軾が赤壁に舟を浮かべ、人生のはかなさを嘆く客と、変化と不変の視点を示す作者との問答で構成された賦です。「変」と「不変」の二つの見方が核心になります。
赤壁賦 の全文と書き下し
| 項目 | 働き | 例(白文) | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 情景 | 秋の夜、赤壁の下に舟を浮かべる | 壬戌之秋、七月既望 | 壬戌の秋、七月既望 |
| 客の嘆き | 人生は天地の一瞬、蜉蝣のようだ | 寄蜉蝣於天地、渺滄海之一粟 | 蜉蝣を天地に寄せ、滄海の一粟に渺たり |
| 作者の答え | 変化から見れば一瞬も留まらないが | 自其変者而観之、則天地曾不能以一瞬 | 其の変ずる者より之を観れば、則ち天地も曾て一瞬をも以てする能はず |
| 結論 | 不変から見れば万物も我も尽きることはない | 自其不変者而観之、則物与我皆無尽也 | 其の変ぜざる者より之を観れば、則ち物と我と皆尽くること無きなり |
句ごとの解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。
情景
- 意味
- 秋の夜、赤壁の下に舟を浮かべる
- 例
- 壬戌之秋、七月既望 → 壬戌の秋、七月既望
- ポイント
- 「既望」は十六日。望(十五日)の翌日。
客の嘆き
- 意味
- 人生は天地の一瞬、蜉蝣のようだ
- 例
- 寄蜉蝣於天地、渺滄海之一粟 → 蜉蝣を天地に寄せ、滄海の一粟に渺たり
- ポイント
- 「蜉蝣」はかげろう。「一粟」は一粒の粟。極小の比喩。
作者の答え
- 意味
- 変化から見れば一瞬も留まらないが
- 例
- 自其変者而観之、則天地曾不能以一瞬 → 其の変ずる者より之を観れば、則ち天地も曾て一瞬をも以てする能はず
- ポイント
- 「自〜観之」で「〜の立場から見れば」。
結論
- 意味
- 不変から見れば万物も我も尽きることはない
- 例
- 自其不変者而観之、則物与我皆無尽也 → 其の変ぜざる者より之を観れば、則ち物と我と皆尽くること無きなり
- ポイント
- 視点を変えれば結論が逆になる、という論法。
押韻・対句と読解の要点
| 「自〜観之」の対 | 「変ずる者より」と「変ぜざる者より」を対にして、同じ対象から逆の結論を導く。 |
|---|---|
| 賦という文体 | 「賦」は韻文と散文の中間の文体。対句と押韻を含みつつ、議論を展開できる。 |
| 「既望」 | 陰暦十六日。望=十五日の翌日を指す。日付の語として問われる。 |
入試ではどう問われるか
「変」と「不変」の二つの視点を説明させる設問が定番です。同じ自然を見ても、立場を変えれば正反対の結論になる、という論の運びを答えます。「既望」の日付も頻出です。
本ページは作品解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
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よくある質問
「赤壁賦」の作者は誰ですか。
北宋の蘇軾(蘇東坡)です。唐宋八大家の一人です。
「既望」とはいつですか。
陰暦十六日です。望(十五日)の翌日を指します。
「変」と「不変」とは何ですか。
同じ自然を、移り変わるものとして見るか、変わらないものとして見るかという二つの視点です。
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