芙蓉楼送辛漸 ―― 王昌齢・七言絶句
友人を見送る際に、自分の潔白を託すという珍しい送別詩です。「一片の氷心玉壺に在り」という比喩が主題を担い、讒言を受けた身の清廉さを示しています。
芙蓉楼送辛漸 の全文と書き下し
| 項目 | 働き | 例(白文) | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 起句 | 冷たい雨が夜に江を覆って呉の地に入り | 寒雨連江夜入呉 | 寒雨江に連なりて夜呉に入る |
| 承句 | 夜明けに客を送れば楚の山も孤独だ | 平明送客楚山孤 | 平明客を送れば楚山孤なり |
| 転句 | 洛陽の親友がもし私のことを尋ねたら | 洛陽親友如相問 | 洛陽の親友如し相問はば |
| 結句 | 一片の氷の心が玉の壺の中にあると伝えてくれ | 一片氷心在玉壺 | 一片の氷心玉壺に在り |
句ごとの解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。
起句
- 意味
- 冷たい雨が夜に江を覆って呉の地に入り
- 例
- 寒雨連江夜入呉 → 寒雨江に連なりて夜呉に入る
- ポイント
- 冷たい雨で全体の調子を定める。
承句
- 意味
- 夜明けに客を送れば楚の山も孤独だ
- 例
- 平明送客楚山孤 → 平明客を送れば楚山孤なり
- ポイント
- 「孤」が別れの寂しさを映す。
転句
- 意味
- 洛陽の親友がもし私のことを尋ねたら
- 例
- 洛陽親友如相問 → 洛陽の親友如し相問はば
- ポイント
- 「如し〜ば」で仮定条件。
結句
- 意味
- 一片の氷の心が玉の壺の中にあると伝えてくれ
- 例
- 一片氷心在玉壺 → 一片の氷心玉壺に在り
- ポイント
- 氷と玉で清らかさを二重に表す。
押韻・対句と読解の要点
| 押韻 | 呉・孤・壺が韻を踏む。 |
|---|---|
| 「氷心玉壺」 | 氷のように清らかな心が、玉の壺の中にある。二重の比喩で潔白を強調する。 |
| 送別詩としての特異さ | 普通の送別詩は別れの寂しさを詠むが、この詩は自分の潔白を託す点が異なる。 |
入試ではどう問われるか
「一片氷心在玉壺」が何を表すかが最頻出です。氷と玉という二つの清らかなものを重ねて、讒言に対する自分の潔白を示している点を答えます。「如し〜ば」の仮定条件も同時に問われます。
本ページは作品解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
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よくある質問
この詩の作者と形式は。
王昌齢の七言絶句です。
「氷心玉壺」は何を表しますか。
氷と玉を重ねて、自分の心の清らかさ・潔白を表しています。
普通の送別詩と何が違いますか。
別れの寂しさではなく、友人に自分の潔白を託して伝えてもらう点が特徴です。
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