江南春 ―― 杜牧・七言絶句
杜牧の七言絶句。前半で江南の春の広がりを描き、後半で南朝の寺々を煙雨の中に置きます。現在の景色に歴史の奥行きを重ねる構成です。
江南春 の全文と書き下し
| 項目 | 働き | 例(白文) | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 起句 | 千里にわたり鶯が鳴き、緑が紅に映える | 千里鶯啼緑映紅 | 千里鶯啼いて緑紅に映ず |
| 承句 | 水辺の村、山ぎわの町に酒屋の旗が風にはためく | 水村山郭酒旗風 | 水村山郭酒旗の風 |
| 転句 | 南朝の四百八十の寺 | 南朝四百八十寺 | 南朝四百八十寺 |
| 結句 | どれほどの楼台が煙雨の中にあることか | 多少楼台煙雨中 | 多少の楼台煙雨の中 |
句ごとの解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。
起句
- 意味
- 千里にわたり鶯が鳴き、緑が紅に映える
- 例
- 千里鶯啼緑映紅 → 千里鶯啼いて緑紅に映ず
- ポイント
- 「千里」で空間の広がりを示す。
承句
- 意味
- 水辺の村、山ぎわの町に酒屋の旗が風にはためく
- 例
- 水村山郭酒旗風 → 水村山郭酒旗の風
- ポイント
- 名詞を並べて景を作る。動詞がない。
転句
- 意味
- 南朝の四百八十の寺
- 例
- 南朝四百八十寺 → 南朝四百八十寺
- ポイント
- 「四百八十」は多数を表す概数。
結句
- 意味
- どれほどの楼台が煙雨の中にあることか
- 例
- 多少楼台煙雨中 → 多少の楼台煙雨の中
- ポイント
- 「多少」は「どれほど」。過去への感慨。
押韻・対句と読解の要点
| 押韻 | 紅・風・中が韻を踏む。 |
|---|---|
| 「四百八十」 | 概数で「非常に多い」の意。正確な寺の数ではない。 |
| 現在と過去 | 前半は目の前の春景色、後半は南朝という過去。煙雨が二つの時間を結びつける。 |
入試ではどう問われるか
「四百八十」が概数であることが問われます。また、前半の現在の景色と後半の歴史的な奥行きがどう結びついているかを説明させる設問も出ます。
本ページは作品解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
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よくある質問
「江南春」の作者と形式は。
杜牧の七言絶句です。
「四百八十寺」は正確な数ですか。
概数で「非常に多い」という意味です。正確な数ではありません。
前半と後半の関係は。
前半は目の前の春景色、後半は南朝という過去で、煙雨が二つの時間を結びつけています。
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