九月九日憶山東兄弟 ―― 王維・七言絶句
重陽の節句に、故郷を離れた地から兄弟を思う詩です。後半で視点を兄弟の側へ移すのが特徴で、「自分がいないこと」を兄弟の目から描いています。
九月九日憶山東兄弟 の全文と書き下し
| 項目 | 働き | 例(白文) | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 起句 | 独り異郷にあって旅人となり | 独在異郷為異客 | 独り異郷に在りて異客と為り |
| 承句 | 節句のたびにいっそう家族を思う | 毎逢佳節倍思親 | 佳節に逢ふ毎に倍ます親を思ふ |
| 転句 | 遠くから思う、兄弟が高い所に登り | 遥知兄弟登高処 | 遥かに知る兄弟高きに登る処 |
| 結句 | みな茱萸を挿す中に一人だけ足りないことを | 遍挿茱萸少一人 | 遍く茱萸を挿して一人を少くを |
句ごとの解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。
起句
- 意味
- 独り異郷にあって旅人となり
- 例
- 独在異郷為異客 → 独り異郷に在りて異客と為り
- ポイント
- 「異」を重ねて疎外感を強める。
承句
- 意味
- 節句のたびにいっそう家族を思う
- 例
- 毎逢佳節倍思親 → 佳節に逢ふ毎に倍ます親を思ふ
- ポイント
- 「倍ます」はいっそう。
転句
- 意味
- 遠くから思う、兄弟が高い所に登り
- 例
- 遥知兄弟登高処 → 遥かに知る兄弟高きに登る処
- ポイント
- 重陽に高所へ登る習慣を踏まえる。
結句
- 意味
- みな茱萸を挿す中に一人だけ足りないことを
- 例
- 遍挿茱萸少一人 → 遍く茱萸を挿して一人を少くを
- ポイント
- 視点が兄弟の側へ移る。欠けているのは自分。
押韻・対句と読解の要点
| 押韻 | 客・親・人のうち、承句末・結句末が韻を踏む。 |
|---|---|
| 視点の転換 | 前半は作者の視点、後半は兄弟の視点。自分の不在を相手の側から描く技法。 |
| 重陽の風習 | 九月九日に高所へ登り、茱萸を身につけて厄除けをした。この前提を知らないと転句・結句が読めない。 |
入試ではどう問われるか
後半で視点が転換していることを指摘させる設問が定番です。また、重陽の節句の風習(登高・茱萸)を知らないと情景が理解できないため、注に注意して読む必要があります。
本ページは作品解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
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よくある質問
この詩の作者と形式は。
王維の七言絶句です。
後半の視点は誰のものですか。
兄弟の視点です。自分がいないことを相手の側から描いています。
重陽の節句とは何ですか。
九月九日に高所へ登り、茱萸を身につけて厄除けをする行事です。
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