涼州詞(黄河遠上) ―― 王之渙・七言絶句
辺境の要塞を詠んだ七言絶句です。春風が玉門関を越えないという表現で、都から遠く隔たった辺境の孤絶を示しています。
涼州詞(黄河遠上) の全文と書き下し
| 項目 | 働き | 例(白文) | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 起句 | 黄河は遠く白雲の間へ上っていき | 黄河遠上白雲間 | 黄河遠く上る白雲の間 |
| 承句 | 一片の孤城が万仞の山にある | 一片孤城万仞山 | 一片の孤城万仞の山 |
| 転句 | 羌笛よ、どうして楊柳の曲を恨むのか | 羌笛何須怨楊柳 | 羌笛何ぞ須ひん楊柳を怨むを |
| 結句 | 春風は玉門関を越えては来ないのだから | 春風不度玉門関 | 春風玉門関を度らず |
句ごとの解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。
起句
- 意味
- 黄河は遠く白雲の間へ上っていき
- 例
- 黄河遠上白雲間 → 黄河遠く上る白雲の間
- ポイント
- 視線を上へ導き、空間の広さを示す。
承句
- 意味
- 一片の孤城が万仞の山にある
- 例
- 一片孤城万仞山 → 一片の孤城万仞の山
- ポイント
- 「一片」と「万仞」の対比で孤立を強調。
転句
- 意味
- 羌笛よ、どうして楊柳の曲を恨むのか
- 例
- 羌笛何須怨楊柳 → 羌笛何ぞ須ひん楊柳を怨むを
- ポイント
- 「楊柳」は別れの曲名でもある。
結句
- 意味
- 春風は玉門関を越えては来ないのだから
- 例
- 春風不度玉門関 → 春風玉門関を度らず
- ポイント
- 春が来ない=都の恩恵が届かないという含み。
押韻・対句と読解の要点
| 押韻 | 間・山・関が韻を踏む。 |
|---|---|
| 「一片/万仞」 | 小さいものと大きいものの極端な対比で城の孤立を印象づける。 |
| 結句の二重の意味 | 実際に春風が届かない厳しい気候と、朝廷の恩恵が及ばないという含みの両方。 |
入試ではどう問われるか
結句の含みを説明させる設問が定番です。気候の厳しさだけでなく、都から遠く見放されているという辺境の兵士の心情まで読み取れるかが問われます。
本ページは作品解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
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よくある質問
この詩の作者と形式は。
王之渙の七言絶句です。「登鸛鵲楼」と同じ作者です。
「春風不度玉門関」の含みは何ですか。
気候の厳しさに加え、朝廷の恩恵が辺境まで届かないという含みがあります。
「一片孤城万仞山」の技法は何ですか。
「一片」と「万仞」という極端な対比で、城の孤立を印象づけています。
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