宿建徳江 ―― 孟浩然・五言絶句
旅の途中、建徳江に舟を泊めた夜の詩です。「月が人に近づく」という逆転した表現で、旅愁の中にわずかな慰めを描いています。
宿建徳江 の全文と書き下し
| 項目 | 働き | 例(白文) | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 起句 | 舟を移して煙の立つ渚に泊め | 移舟泊煙渚 | 舟を移して煙渚に泊す |
| 承句 | 日が暮れて旅の憂いが新たになる | 日暮客愁新 | 日暮れて客愁新たなり |
| 転句 | 野は広く天は木々に迫って低く | 野曠天低樹 | 野曠くして天樹に低れ |
| 結句 | 川は澄んで月が人に近づく | 江清月近人 | 江清くして月人に近し |
句ごとの解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。
起句
- 意味
- 舟を移して煙の立つ渚に泊め
- 例
- 移舟泊煙渚 → 舟を移して煙渚に泊す
- ポイント
- 「煙渚」は霧の立ちこめる中州。
承句
- 意味
- 日が暮れて旅の憂いが新たになる
- 例
- 日暮客愁新 → 日暮れて客愁新たなり
- ポイント
- 「客愁」は旅の愁い。
転句
- 意味
- 野は広く天は木々に迫って低く
- 例
- 野曠天低樹 → 野曠くして天樹に低れ
- ポイント
- 空が木より低く見えるほど平野が広い。
結句
- 意味
- 川は澄んで月が人に近づく
- 例
- 江清月近人 → 江清くして月人に近し
- ポイント
- 月が近づいてくるという主客の逆転。
押韻・対句と読解の要点
| 押韻 | 新・人が韻を踏む。 |
|---|---|
| 対句 | 転句と結句が対句。「野曠/江清」「天低樹/月近人」が対応する。 |
| 主客の逆転 | 水面に映る月が近くに見えることを、月のほうが人に近づくと表現している。 |
入試ではどう問われるか
「月近人」の表現が問われます。人が月に近づくのではなく、月が人に近づくという逆転が、孤独な旅人にとっての慰めを表している点を答えます。
本ページは作品解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
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よくある質問
「宿建徳江」の作者と形式は。
孟浩然の五言絶句です。
「月近人」はどう解釈しますか。
水面に映る月が近く見えることを、月のほうが人に近づくと表現したものです。
対句はどこですか。
転句と結句です。「野曠/江清」「天低樹/月近人」が対応しています。
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