春夜洛城聞笛 ―― 李白・七言絶句
春の夜、洛陽の町に流れる笛の音を聞いて望郷の情がかき立てられる詩です。「折楊柳」という曲名が別れを連想させる点が要点になります。
春夜洛城聞笛 の全文と書き下し
| 項目 | 働き | 例(白文) | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 起句 | 誰の家の玉の笛か、暗い中に飛ぶ声 | 誰家玉笛暗飛声 | 誰が家の玉笛ぞ暗に声を飛ばす |
| 承句 | 春風に散り込んで洛城に満ちる | 散入春風満洛城 | 散じて春風に入りて洛城に満つ |
| 転句 | この夜の曲の中に折楊柳を聞けば | 此夜曲中聞折柳 | 此の夜曲中折柳を聞く |
| 結句 | 誰が故郷を思う情を起こさないでいられようか | 何人不起故園情 | 何人か故園の情を起こさざらん |
句ごとの解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。
起句
- 意味
- 誰の家の玉の笛か、暗い中に飛ぶ声
- 例
- 誰家玉笛暗飛声 → 誰が家の玉笛ぞ暗に声を飛ばす
- ポイント
- 「誰が家の〜ぞ」で疑問。
承句
- 意味
- 春風に散り込んで洛城に満ちる
- 例
- 散入春風満洛城 → 散じて春風に入りて洛城に満つ
- ポイント
- 音が町全体に広がる。
転句
- 意味
- この夜の曲の中に折楊柳を聞けば
- 例
- 此夜曲中聞折柳 → 此の夜曲中折柳を聞く
- ポイント
- 「折楊柳」は別れの曲。
結句
- 意味
- 誰が故郷を思う情を起こさないでいられようか
- 例
- 何人不起故園情 → 何人か故園の情を起こさざらん
- ポイント
- 反語。「誰もが故郷を思う」。
押韻・対句と読解の要点
| 押韻 | 声・城・情が韻を踏む。 |
|---|---|
| 「折楊柳」 | 柳の枝を折って旅立つ人に贈る習慣から、別れを歌う曲の名になった。 |
| 結句の反語 | 「何人か〜ざらん」で反語。「誰もが〜する」という強い肯定になる。 |
入試ではどう問われるか
結句が反語であることが最頻出です。「誰が故郷を思わないでいられようか」=「誰もが故郷を思う」という強い肯定として訳します。「折楊柳」が別れの曲である点も問われます。
本ページは作品解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
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よくある質問
この詩の作者と形式は。
李白の七言絶句です。
「折楊柳」とは何ですか。
柳の枝を折って旅立つ人に贈る習慣から生まれた、別れを歌う曲の名です。
結句はどう訳しますか。
反語で「誰もが故郷を思わずにはいられない」という強い肯定になります。
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