早発白帝城 ―― 李白・七言絶句
李白の七言絶句。流罪を許されて舟で下る解放感が全編を貫いています。速度を感じさせる語が連続し、軽やかな調子が主題そのものになっています。
早発白帝城 の全文と書き下し
| 項目 | 働き | 例(白文) | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 起句 | 朝、彩雲のかかる白帝城を辞して | 朝辞白帝彩雲間 | 朝に辞す白帝彩雲の間 |
| 承句 | 千里の江陵へ一日で帰り着く | 千里江陵一日還 | 千里の江陵一日にして還る |
| 転句 | 両岸の猿の声が鳴きやまないうちに | 両岸猿声啼不住 | 両岸の猿声啼いて住まざるに |
| 結句 | 軽やかな舟はすでに幾重もの山を過ぎた | 軽舟已過万重山 | 軽舟已に過ぐ万重の山 |
句ごとの解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。
起句
- 意味
- 朝、彩雲のかかる白帝城を辞して
- 例
- 朝辞白帝彩雲間 → 朝に辞す白帝彩雲の間
- ポイント
- 「辞す」は別れを告げて去る。明るい色彩から始まる。
承句
- 意味
- 千里の江陵へ一日で帰り着く
- 例
- 千里江陵一日還 → 千里の江陵一日にして還る
- ポイント
- 「千里」と「一日」の対比で速度を示す。
転句
- 意味
- 両岸の猿の声が鳴きやまないうちに
- 例
- 両岸猿声啼不住 → 両岸の猿声啼いて住まざるに
- ポイント
- 「住まず」は止まない。聴覚で時間の短さを示す。
結句
- 意味
- 軽やかな舟はすでに幾重もの山を過ぎた
- 例
- 軽舟已過万重山 → 軽舟已に過ぐ万重の山
- ポイント
- 「已に」で予想より早い到達を示す。
押韻・対句と読解の要点
| 押韻 | 間・還・山が韻を踏む。 |
|---|---|
| 速度の表現 | 「千里/一日」「啼不住/已過」など、対比と副詞で速さを表す。 |
| 「軽舟」の効果 | 舟が軽いのではなく、詩人の心が軽いことを映している。 |
入試ではどう問われるか
速度をどう表現しているかを説明させる設問が定番です。「千里」と「一日」の対比、「已に」という副詞、猿の声が終わらないうちに山を越えたという時間感覚を答えます。
本ページは作品解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
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よくある質問
「早発白帝城」の作者と形式は。
李白の七言絶句です。
何を詠んだ詩ですか。
流罪を許されて舟で下るときの解放感を詠んだ詩です。
「軽舟」は何を表しますか。
舟の軽さだけでなく、詩人自身の心の軽やかさを映しています。
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