烏衣巷 ―― 劉禹錫・七言絶句
かつて名門貴族が住んだ町を訪れ、燕が今は庶民の家に巣を作っているという一点で栄枯盛衰を描いた七言絶句です。感慨を直接述べない手法が高く評価されています。
烏衣巷 の全文と書き下し
| 項目 | 働き | 例(白文) | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 起句 | 朱雀橋のほとりに野草の花が咲き | 朱雀橋辺野草花 | 朱雀橋辺野草の花 |
| 承句 | 烏衣巷の入口に夕日が斜めに差す | 烏衣巷口夕陽斜 | 烏衣巷口夕陽斜めなり |
| 転句 | 昔、王氏と謝氏の邸宅の前にいた燕が | 旧時王謝堂前燕 | 旧時王謝堂前の燕 |
| 結句 | 今は普通の民家に飛び入っていく | 飛入尋常百姓家 | 飛んで尋常百姓の家に入る |
句ごとの解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。
起句
- 意味
- 朱雀橋のほとりに野草の花が咲き
- 例
- 朱雀橋辺野草花 → 朱雀橋辺野草の花
- ポイント
- かつての繁華街が今は野草に覆われる。
承句
- 意味
- 烏衣巷の入口に夕日が斜めに差す
- 例
- 烏衣巷口夕陽斜 → 烏衣巷口夕陽斜めなり
- ポイント
- 「夕陽」が衰えを暗示する。
転句
- 意味
- 昔、王氏と謝氏の邸宅の前にいた燕が
- 例
- 旧時王謝堂前燕 → 旧時王謝堂前の燕
- ポイント
- 王・謝は東晋の名門。
結句
- 意味
- 今は普通の民家に飛び入っていく
- 例
- 飛入尋常百姓家 → 飛んで尋常百姓の家に入る
- ポイント
- 燕の行き先の変化だけで没落を示す。
押韻・対句と読解の要点
| 押韻 | 花・斜・家が韻を踏む。 |
|---|---|
| 「王謝」 | 東晋の名門・王氏と謝氏。この前提を知らないと転句の意味が取れない。 |
| 感慨の表し方 | 「昔は栄えていたが今は衰えた」と一言も書かない。燕の行き先だけで示す。 |
入試ではどう問われるか
燕が何を象徴しているかを説明させる設問が定番です。同じ燕が、かつては名門の邸宅に、今は庶民の家に巣を作っている、という対比が栄枯盛衰を示している点を答えます。
本ページは作品解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
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よくある質問
「烏衣巷」の作者と形式は。
劉禹錫の七言絶句です。
「王謝」とは何ですか。
東晋の名門である王氏と謝氏のことです。
燕は何を象徴していますか。
同じ燕が名門の邸宅から庶民の家へ移ったことで、栄枯盛衰を示しています。
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