はじめに
数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!
藤原:今回から「記述・作文の演習」シリーズを始めます。第1回のテーマは「条件作文・意見文」。特に、書き出しと構成の「型」を身につけることを目標にします。
翔先生:作文って自由に書いていいと思われがちですが、実は入試で高得点を取る答案には共通の「型」があるんです。今回は、その型を知識として正確に押さえられているかを、選択・整序・空欄補充の形式で確認していきましょう。
藤原:今回の問題はすべて答えが一つに決まるように作ってあります。「感想」ではなく「知識」として型を定着させることが目的です。全10問、しっかり取り組んでみてください。
問題(全10問)
第1問
意見文の最も基本的な構成である「三段落構成」について、次の①〜③を正しい順序に並べ替えなさい。
①自分の意見の根拠となる具体例や理由を述べる(本論)
②最初に自分の意見(結論)を簡潔に述べる(序論)
③序論で述べた意見をあらためて確認し、まとめる(結論)
第2問
条件作文における原稿用紙の使い方として、次のうち誤っているものを一つ選びなさい。
ア.句点(。)や読点(、)は、行の最後のマス目に文字と一緒に書いてもよい。
イ.段落の最初は一マス空けて書き始める。
ウ.「」(かぎかっこ)の閉じかっこは、必ず次の行の一マス目に単独で書く。
第3問
意見文の書き出し方には主に「頭括型(結論を先に述べる)」「尾括型(結論を最後に述べる)」「双括型(結論を最初と最後の両方で述べる)」がある。次の書き出し文は、このうちどれに最も近いか答えなさい。
「私は、学校でのスマートフォン使用は一定のルールのもとで認めるべきだと考える。その理由は次の二点である。」
第4問
意見文でよく使われる「譲歩構成」の空欄( )に入る、最も適切な接続表現を答えなさい。
「たしかに、部活動には体力づくりや協調性を育てるという利点がある。( )、過度な練習時間は生徒の学業や睡眠時間を圧迫し、健康を損なう恐れがある。」
第5問
次のア〜ウの文のうち、「具体例」にあたるものを一つ選びなさい。
ア.読書は人の視野を広げる。
イ.例えば、歴史小説を読むことで、当時の人々の考え方や社会の仕組みを知ることができる。
ウ.したがって、読書は現代を生きる私たちにとっても価値がある。
第6問
三段落構成の意見文において、「本論」に書くべき内容として最も適切なものを一つ選びなさい。
ア.序論で述べた意見をそのまま繰り返す。
イ.意見の根拠となる理由や具体例を挙げ、説得力を持たせる。
ウ.テーマとは異なる新しい話題を提示する。
第7問
次の結論部分の文のうち、序論の意見と正しく呼応しているものを一つ選びなさい。ただし、序論では「学校での制服着用は今後も継続すべきだ」と述べているものとする。
ア.以上のように、制服には経済的負担という課題があることがわかった。
イ.以上のように、制服の着用には経済面の課題もあるが、それ以上に一体感を育てる意義が大きいため、今後も継続すべきである。
ウ.以上のように、制服については様々な意見があり、結論を出すのは難しい。
第8問
「二段落構成・120字以内」という条件で意見文を書くとき、次のア〜ウのうち、この条件を最も適切に満たしている構成を一つ選びなさい。
ア.一段落目に意見と理由をすべて書き、二段落目は空白にする。
イ.一段落目で意見とその理由を述べ、二段落目で具体例を補足しながらまとめる。
ウ.三段落に分けて、序論・本論・結論を書く。
第9問
次のア〜ウの文を、意見文の本論として自然な順序に並べ替えなさい。
ア.次に、地域の祭りに参加することで、世代を超えた交流が生まれるという利点もある。
イ.まず、地域活動に参加することで、住民同士のつながりが深まるという利点がある。
ウ.このように、地域活動への参加には複数の利点がある。
第10問
意見文の書き出しの型には「問題提起型(問いかけから始める)」「結論提示型(結論から始める)」「具体例提示型(体験や具体例から始める)」がある。次の書き出し文はどの型にあたるか答えなさい。
「先日、電車で高齢者に席を譲ろうか迷い、結局声をかけられなかった経験がある。」
解答・解説
第1問の解答と解説
解答:②→①→③
三段落構成は「序論(意見の提示)→本論(理由・具体例)→結論(まとめ)」という順序が基本です。序論でまず自分の立場を明確にし、本論でその根拠を積み上げ、結論で再確認するという流れは、読み手に論理の筋道を示すために不可欠です。よくある誤りは、本論の具体例から書き始めてしまい、読み手に最初に「何が言いたいのか」が伝わらなくなるパターンです。まず「結論を先に示す」という原則を体に染み込ませましょう。
第2問の解答と解説
解答:ウ
かぎかっこの閉じかっこ(」)は、原則として文字と同じマスに、直前の文字と一緒に書くのが正しいルールです。次の行の一マス目に単独で書くというのは誤りです。アとイは実際に多くの原稿用紙のルールで認められている記法であり、正しい記述です。原稿用紙のルールは、読点・句点の位置や行末の処理など細かい部分で減点されやすいので、条件作文の前に必ず確認しておく必要があります。
第3問の解答と解説
解答:頭括型
この書き出し文は「私は〜と考える」という結論を最初の一文で明示しており、その後に理由を続ける構成になっています。これは典型的な「頭括型」の書き出しです。入試の意見文では、限られた字数の中で採点者に主張を明確に伝える必要があるため、頭括型が最も採用されやすい型です。尾括型や双括型は物語的な導入や複雑な論証に向きますが、字数制限が厳しい条件作文では頭括型が安全策になります。
第4問の解答と解説
解答:しかし
「たしかに〜しかし」という形は、相手の立場や一般論を一度認めたうえで、自分の意見を強調する「譲歩構成」の典型的な形です。空欄の前で部活動の利点を認めているため、空欄の後には逆接の接続表現が入り、そこから問題点や自分の主張へとつなげる必要があります。「そして」「また」などの順接・並列の接続表現を入れてしまう誤りが多いので、譲歩構成では必ず逆接が来ることを意識しましょう。
第5問の解答と解説
解答:イ
イは「例えば」という語で始まり、歴史小説という具体的な対象と、それによって得られる具体的な知識を挙げているため、明確な具体例です。アは抽象的な一般論、ウは結論を導く文であり、どちらも具体例ではありません。意見文では、抽象的な主張(ア)→具体例(イ)→結論(ウ)という流れを作ることで説得力が増します。具体例を挙げずに抽象論だけで終わる答案は、説得力に欠けると判断されやすいので注意が必要です。
第6問の解答と解説
解答:イ
本論の役割は、序論で示した意見に説得力を持たせるための理由や具体例を提示することです。アのように意見を繰り返すだけでは、字数を稼いでいるだけで論証になっていません。ウのように新しい話題を持ち込むと、論旨が一貫せず減点対象になります。本論では「なぜそう考えるのか」「具体的にはどういうことか」を丁寧に展開することが最重要です。
第7問の解答と解説
解答:イ
結論は、序論で述べた意見と矛盾なく呼応している必要があります。序論では「制服着用を継続すべき」と明言しているため、結論もその立場を支持する内容でなければなりません。アは課題の指摘のみで結論の主張が抜けており、ウは結論を出さずに終わっているため、いずれも序論と噛み合いません。イは課題を認めつつも、最終的に序論の主張と同じ結論を導いており、双括型の理想的な結び方になっています。
第8問の解答と解説
解答:イ
「二段落構成・120字以内」という条件では、各段落に明確な役割を持たせつつ、字数内に収める工夫が必要です。イは一段落目で意見と理由、二段落目で具体例とまとめを配置しており、限られた字数の中でも論理構成を保っています。アは二段落目が機能しておらず条件を満たしていません。ウは三段落構成であり、そもそも「二段落構成」という条件に反しています。条件作文では、字数だけでなく「段落数」の指定も厳密に守ることが採点上非常に重要です。
第9問の解答と解説
解答:イ→ア→ウ
「まず」「次に」「このように」という接続表現は、それぞれ「最初の理由」「二つ目の理由」「まとめ」という役割を示しており、この順序でしか論理的につながりません。イで最初の利点を提示し、アで二つ目の利点を追加し、ウでそれらをまとめるという流れが自然です。接続表現の意味を正確に理解していないと、順序を誤って論理の飛躍が生じるため、こうした整序問題は普段から接続語の役割を意識して練習することが大切です。
第10問の解答と解説
解答:具体例提示型
この書き出しは「先日、電車で〜経験がある」という自分の体験から始まっており、結論や問いかけではなく具体的なエピソードを提示しています。これは「具体例提示型」の典型例で、読み手の関心を引きやすく、身近なテーマの意見文で特によく使われます。ただし体験談だけで終わらせず、その後に必ず自分の意見や理由につなげる必要がある点に注意しましょう。体験談が長くなりすぎて意見文ではなく単なる作文になってしまう失敗もよく見られます。
藤原&翔先生のワンポイント
翔先生:今回のポイントは、作文を「感覚」ではなく「型」として捉えることです。序論・本論・結論の役割、譲歩構成の逆接の使い方、書き出しの三つの型をあらかじめ覚えておくと、本番でも迷わず書き始められます。
藤原:その通りです。条件作文は「何を書くか」よりも「与えられた条件をどう満たすか」が採点の中心になることが多いです。段落数、字数、原稿用紙のルールといった細かい条件を機械的に守れるようにしておくことが、まず得点につながる第一歩です。次回は、実際に自分で文章を組み立てる演習に進んでいきましょう。
まとめ・日本国語塾TOPについて
今回は「条件作文・意見文」における書き出しと構成の型を、10問の一問一答形式で確認しました。序論・本論・結論の役割、譲歩構成、書き出しの三つの型を正確に理解し、条件を機械的に守れるようになることが、記述・作文で安定した得点を取るための土台になります。次回もぜひ挑戦してみてください。
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