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藤原 進之介

株式会社数強塾 代表取締役。数強塾グループ(日本数学塾・日本英語塾・日本国語塾・英論会)創設者。現役時代に数学で挫折し浪人を経て「なぜそうなるか」を徹底追求する指導哲学を確立。一生の役に立つ勉強を全国にオンライン展開。

【オリジナル問題】課題文要約の演習練習問題 第2回|10問一問一答と詳しい解説

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はじめに

数強塾グループの国語専門塾、日本国語塾TOPの藤原進之介です。講師の翔先生と一緒に解説します!

藤原:今回は「課題文要約の演習02」ですね。前回に続き、短い課題文を要約する練習を10問用意しました。

翔先生:はい。今回は特に「型」を意識してもらいたいです。逆接で主張が来る文章、対比で構成されている文章、原因と結果で書かれている文章など、パターンごとに要約の作り方が変わります。

藤原:そして、要約で一番よく失点するのが「具体例を残してしまう」「一般論だけまとめて筆者の主張を落とす」「字数条件を守れない」の3つです。この回では、その3点を必ずチェックしながら解いてほしいですね。

翔先生:課題文はすべて100〜180字程度の短いオリジナル文です。まずは自分で要約を書いてから、解説を読んで型を確認してください。

問題(全10問)

第1問

スマートフォンの普及によって、私たちは知りたい情報を瞬時に手に入れられるようになった。しかし、検索して得られる答えの多くは、すでに誰かが整理し、要約した「答え」である。自分の頭で考える前に他人の結論を受け取ってしまうことで、思考の過程そのものが省略されがちになっている。便利さの裏側で、じっくり考える力が失われつつあるのではないか。

【設問】この文章を60字以内で要約せよ。

第2問

大量生産・大量消費の時代を経て、私たちは「安くて便利なもの」を追い求め続けてきた。だが、その裏側では資源の枯渇や環境破壊が静かに進行している。消費者が「安さ」だけを基準に選択を続ける限り、企業もコストを削るために環境への配慮を後回しにせざるを得ない。持続可能な社会を実現するには、消費者一人ひとりが「何を選ぶか」という意識を変える必要がある。

【設問】この文章を50字以内で要約せよ。

第3問

伝統工芸の職人たちは、長い時間をかけて技術を継承してきた。だが、今の時代にそのまま同じ技法を守り続けるだけでは、需要の変化に応えられず廃業に追い込まれる工房も少なくない。むしろ、伝統の技術を土台にしながら、現代の生活様式に合わせた新しい形を生み出す職人こそが、伝統を次の世代へつなげている。伝統を守ることと、変化を受け入れることは、決して矛盾しない。

【設問】この文章を60字以内で要約せよ。

第4問

言葉は、相手に自分の考えを伝えるための道具であると同時に、自分自身の考えを整理するための道具でもある。うまく話せないとき、私たちはしばしば「何を言えばいいか分からない」のではなく、「自分が何を考えているか分からない」のである。言葉にする作業を通じて、はじめて自分の思考が明確になる。話す前に完璧な考えがあるわけではなく、話すことによって考えが形作られていく。

【設問】この文章を50字以内で要約せよ。

第5問

地方の過疎化が進む一方で、都市への人口集中は止まらない。便利さや仕事の機会を求めて人が都市に流れるのは自然な流れに見える。しかし、地方には都市にはない広い土地や人とのつながり、自然環境という資産がある。人口減少を単なる「衰退」と捉えるのではなく、少ない人数でも豊かに暮らせる仕組みを作ることこそ、これからの地方に求められている発想の転換である。

【設問】この文章を60字以内で要約せよ。

第6問

インターネットの記事は、短時間で要点をつかめるように書かれていることが多い。それに慣れてしまうと、長い文章を読み通す集中力そのものが弱くなっていく。一冊の本を読み終えるには、途中でわからない部分があっても粘り強く読み進める力が必要だ。読書とは、単なる情報収集の手段ではなく、忍耐力や思考の持久力を鍛える営みでもある。

【設問】この文章を50字以内で要約せよ。

第7問

遺伝子を操作する技術は、病気の治療や食料問題の解決に大きな可能性を開いている。だが、技術的に「できる」ことと、社会的に「してもよい」ことは、必ずしも一致しない。技術の進歩が速いほど、私たちはその技術をどこまで使うべきかを議論する時間を十分に持てないまま、応用が先に進んでしまう危険がある。科学の発展には、それに伴う倫理的な合意形成の努力が欠かせない。

【設問】この文章を60字以内で要約せよ。

第8問

SNSでは、自分の意見に同意してくれる人とつながりやすく、反対意見を持つ人とは自然に距離ができていく。その結果、自分の考えが多数派であるかのような錯覚が生まれやすい。実際には多様な意見が存在していても、目に入る情報が偏っていることに気づかないまま、視野が狭くなっていく危険がある。異なる意見に触れる機会を意識的に持つことが、これからますます重要になる。

【設問】この文章を50字以内で要約せよ。

第9問

歴史を学ぶことは、単に過去の出来事や年号を記憶することではない。同じ出来事でも、立場によって見え方が異なるという事実に気づくことこそが重要である。一つの資料だけを信じるのではなく、複数の視点を比較しながら判断する姿勢を身につけることで、現在の社会で起きている出来事についても、多角的に考える力が育まれていく。

【設問】この文章を50字以内で要約せよ。

第10問

学校教育の役割は、知識を教えることだけにあるのではない。答えが一つに定まらない問題に向き合ったとき、どのように考え、他者と議論し、納得できる結論を探っていくか。そうした過程そのものを経験させることが、変化の激しい社会で生きていくための力を育てる。正解を覚えるだけの学びから、考える過程を大切にする学びへの転換が求められている。

【設問】この文章を60字以内で要約せよ。

解答・解説

第1問の解答と解説

解答例:スマホの普及で情報は得やすくなったが、他人の結論を受け取るだけで思考の過程が省略され、考える力が失われつつある。(59字)

この文章は「便利になった」という一般論を最初に置き、「しかし」で転換して筆者の本当の主張(思考力の低下への懸念)を述べる、逆接転換型の典型です。要約では前半の一般論を軽く扱い、後半の主張を必ず入れることが重要です。減点されやすいのは、「検索の答えの多くは誰かが整理したもの」という具体的説明部分をそのまま残してしまい、字数を圧迫して結論を書き切れないケースです。「〜のではないか」という疑問形の結びは、要約では言い切りの断定文に直すのが基本です。

第2問の解答と解説

解答例:安さ重視の消費が環境破壊を招いており、持続可能な社会には消費者の選択意識の転換が必要だ。(48字)

この文章は「消費行動→環境破壊」という因果関係を示したうえで、最後に筆者の提言(意識の転換の必要性)を置く因果型です。「企業もコストを削るために配慮を後回しにする」という部分は、消費行動が環境破壊を招くという因果の説明にすぎないため、要約に含めなくても大意は伝わります。ここを無理に入れようとして字数が足りなくなり、最後の提言部分を削ってしまうのが典型的な失敗パターンです。

第3問の解答と解説

解答例:伝統技術を守るだけでは需要変化に対応できず、変化させながら伝える職人こそが伝統を次代へつなぐ。伝統維持と変化は矛盾しない。(60字)

対比構造(伝統を守るだけの職人/変化を取り入れる職人)から、最後に「矛盾しない」という統合的主張に至る対比→統合型です。要約では、対比の両側を簡潔に示し、最後の統合的な一文(伝統と変化は矛盾しない)を必ず落とさないことがポイントです。「廃業に追い込まれる工房も少なくない」という具体例は、対比を成立させるための補足情報なので、要約では「対応できない」程度に圧縮しましょう。

第4問の解答と解説

解答例:言葉は伝達手段であると同時に思考を整理する手段であり、話すことを通じて考えが明確になっていく。(47字)

「言葉とは何か」という定義を提示した後、「話す前に完璧な考えがあるわけではない」という逆説的な主張へつなげる定義→逆説型です。この文章の核心は「話すこと自体が思考を形作る」という点にあり、単に「言葉は伝達の道具である」だけをまとめると片方の側面しか要約できていないため減点対象になります。両方の側面(伝達・整理)と、話すことで考えが明確になる、という結論を必ず両方入れましょう。

第5問の解答と解説

解答例:人口が都市に集中する中、地方には自然や人のつながりという資産があり、少人数でも豊かに暮らす仕組みへの発想転換が求められる。(58字)

一般論(都市集中は自然な流れ)を提示し、「しかし」で地方の資産に注目させ、最後に筆者の提言(発想の転換)へと導く一般論→主張転換型です。「過疎化」「都市への人口集中」という現状説明は前提であり、要約の主眼ではありません。多くの受験生が現状説明に字数を使い過ぎて、最後の「発想の転換」という核心の提言を書き落としてしまうので注意が必要です。

第6問の解答と解説

解答例:短文に慣れると集中力が弱まるが、読書は情報収集だけでなく忍耐力と思考の持久力を鍛える営みである。(48字)

現状(ネット記事に慣れることの弊害)を述べたあと、「読書とは〜である」という筆者独自の定義で締める現状→筆者定義型です。この文章の要約で最も重要なのは、最後の一文「読書とは単なる情報収集の手段ではなく、忍耐力や思考の持久力を鍛える営みである」を正確に反映することです。「単なる情報収集の手段ではなく」の否定部分は、読書の意義を強調するための対比表現なので、要約でも「単なる情報収集ではなく」という否定のニュアンスを残すと減点されにくくなります。「粘り強く読み進める力が必要だ」という説明部分は、最後の定義文に吸収させて重複を避けましょう。

第7問の解答と解説

解答例:遺伝子操作技術は可能性を開くが、「できる」ことと「してもよい」ことは異なり、技術発展には倫理的合意形成の努力が欠かせない。(60字)

この文章は「技術的にできること」と「社会的にしてもよいこと」という明確な対比を軸にした対比型です。この対比のキーワード(できる/してもよい)は、筆者の主張の核心そのものなので、言い換えずにそのまま要約に残すのが安全です。「議論する時間を十分に持てないまま応用が先に進んでしまう危険がある」という部分は、対比が生む問題点の具体的説明にすぎず、最後の結論(倫理的合意形成の努力が欠かせない)を優先して残すべき箇所です。字数に余裕がない場合は、この具体的説明を思い切って削ってかまいません。

第8問の解答と解説

解答例:SNSは同意見の人とつながりやすく視野が偏りやすいため、異なる意見に触れる機会を意識的に持つことが重要だ。(52字)

SNSの特性(同意見の人とつながりやすい)という原因から、視野の偏りという結果を導き、最後に筆者の提言(異なる意見に触れる機会を持つこと)で締める因果→提言型です。「多数派であるかのような錯覚が生まれる」という部分は、因果関係を補強する説明であり、要約の核ではありません。ここに字数を使いすぎて、最後の提言部分を省略してしまうのが最も多い失点パターンなので、必ず結論を書き切る配分を意識してください。

第9問の解答と解説

解答例:歴史を学ぶ意義は記憶ではなく、複数の視点を比較する姿勢を養い、現在を多角的に考える力を育むことにある。(51字)

「歴史学習とは記憶することではない」という否定から始まり、「複数の視点を比較する姿勢を養うことである」という筆者独自の定義に至る否定→定義型です。否定された内容(年号や出来事の記憶)をそのまま要約に残すと、筆者が否定している対象を肯定しているかのような誤った要約になってしまうため注意が必要です。否定はあくまで「〜ではない」という形で簡潔に触れ、そのあとの筆者の定義(多角的に考える力を育む)を要約の主軸に据えましょう。

第10問の解答と解説

解答例:学校教育は知識伝達だけでなく、答えのない問題を考え議論する過程の経験が大切であり、正解暗記から思考過程重視への転換が求められる。(64字)

これも第9問と同じ否定→提言型の構造で、「知識を教えることだけにあるのではない」という否定から始まり、「過程を経験させることが力を育てる」という主張、最後に「転換が求められている」という提言で締められています。字数がやや厳しい問題ですが、「他者と議論し、納得できる結論を探っていく」という具体的な過程の説明は、「考え議論する過程」の一語に圧縮できます。具体例的な語句を圧縮する力が、字数条件の厳しい要約問題では特に重要になります。

藤原&翔先生のワンポイント

翔先生:10問通してみると、要約の型は大きく分けて「一般論→主張転換型」「対比型」「因果→提言型」「否定→定義型」の4パターンにほぼ収まりますね。

藤原:そうですね。まず課題文を読んだら、「しかし」「だが」「むしろ」といった転換の接続語がどこにあるかを探すこと。その後ろに筆者の本当の主張が来ることがほとんどです。転換前の一般論や現状説明は、要約では思い切って圧縮していい部分だと覚えておきましょう。

翔先生:それと、具体例や補足説明を「そのまま」要約に残してしまうのが最大の減点ポイントです。具体例は抽象化して一語にまとめる練習を積むと、字数を大幅に節約できます。

藤原:最後に、要約は文末まで気を配ること。「〜のではないか」という疑問形や「〜が求められている」という語尾は、そのまま使うと文体がぼやけます。設問の字数条件を守りながら、言い切りの形で結論をきちんと書き切る。この3点、「転換語に注目」「具体例は圧縮」「結論を言い切る」を毎回チェックする習慣をつければ、要約の得点は確実に安定していきます。

まとめ・日本国語塾TOPについて

今回は「課題文要約の演習02」として、10種類の異なる論理構造を持つ課題文を用意しました。要約問題は、文章の型を見抜く力さえつけば、驚くほど安定して高得点を取れる分野です。次回もさらに違う型の課題文で演習を重ねていきますので、ぜひ繰り返し練習してください。

日本国語塾TOPは、数強塾グループ代表・藤原進之介が監修する国語専門塾です。
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