「不」は ず と読みます。
「不」は漢文で最も基本的な打消の助字で、動詞・形容詞の前に置かれて「〜しない」を表します。「不」と「必」「常」などの副詞との位置関係で、全部否定か部分否定かが変わる点が最重要です。
「不」の読み方・意味 一覧
| 読み | 意味 | 例(白文) | 書き下し |
|---|---|---|---|
| ず | 〜しない(打消) | 不知 | 知らず |
| ず | 〜でない(形容詞の打消) | 不善 | 善からず |
| ざル | 連体形 | 不知者 | 知らざる者 |
| ずンバ | 「不A、B」で仮定条件 | 不学不知 | 学ばずんば知らず |
用法別の詳しい解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。白文・書き下し文・現代語訳をそろえてあります。
1. ず ―― 〜しない(打消)
- 白文
- 不知
- 書き下し
- 知らず
- 現代語訳
- 知らない。
2. ず ―― 〜でない(形容詞の打消)
- 白文
- 不善
- 書き下し
- 善からず
- 現代語訳
- よくない。
3. ざル ―― 連体形
- 白文
- 不知者
- 書き下し
- 知らざる者
- 現代語訳
- 知らない者。
4. ずンバ ―― 「不A、B」で仮定条件
- 白文
- 不学不知
- 書き下し
- 学ばずんば知らず
- 現代語訳
- 学ばなければ知らない。
紛らわしい字との識別
| 部分否定 と 全部否定 | 「不必」=必ずしも〜ず(部分否定)、「必不」=必ず〜ず(全部否定)。副詞が「不」の前か後かで意味が逆転する。最頻出の論点。 |
|---|---|
| 不 と 無 と 非 | 「不」は動作・状態の打消。「無」は存在の否定。「非」は判断の否定(AはBではない)。 |
| 二重否定 | 「不可不」=〜しないわけにはいかない(=必ず〜すべきだ)。否定が二つ重なると強い肯定になる。 |
入試ではどう問われるか
部分否定と全部否定の区別が最頻出です。「不常〜(常には〜せず)」と「常不〜(常に〜せず)」では意味がまったく違います。副詞の位置を必ず確認してください。
本ページは漢文法の解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
今日の練習
読み方を覚えるだけでは、初見の白文で使えません。次の順で手を動かしてください。
- 上の白文を隠して、書き下し文から白文の語順を復元する。
- 「不」が出てくる文を教科書か問題集から3つ探し、上のどの用法かを判定する。
- 判定の根拠を「直前が〜だから」の形で1行書く。根拠を言葉にできて初めて使える知識になります。
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よくある質問
「不」はどう読みますか。
「ず」と読みます。連体形は「ざル」、仮定条件では「ずンバ」となります。
部分否定と全部否定の違いは何ですか。
「不必〜」は「必ずしも〜ない」(部分否定)、「必不〜」は「必ず〜ない」(全部否定)です。副詞が「不」の前か後かで決まります。
「不」「無」「非」はどう違いますか。
「不」は動作の打消、「無」は存在の否定、「非」は判断の否定です。
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