岳陽楼記 ―― 范仲淹・先憂後楽
洞庭湖に臨む岳陽楼を題材に、「天下の憂ひに先立ちて憂ふ」という為政者の心構えを説いた記です。景色の描写から一気に政治論へ転じる構成が特徴です。
岳陽楼記 の全文と書き下し
| 項目 | 働き | 例(白文) | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 情景 | 洞庭湖を含み長江を呑む雄大な眺め | 銜遠山、呑長江 | 遠山を銜み、長江を呑む |
| 対比 | 雨の日の悲しみと晴れた日の喜び | 感極而悲者矣/其喜洋洋者矣 | 感極まりて悲しむ者なり/其の喜び洋洋たる者なり |
| 転換 | 古の仁人はこの二つと違っていた | 予嘗求古仁人之心、或異二者之為 | 予嘗て古の仁人の心を求むるに、或いは二者の為に異なる |
| 主題 | 天下の憂いに先立って憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ | 先天下之憂而憂、後天下之楽而楽 | 天下の憂ひに先立ちて憂ひ、天下の楽しみに後れて楽しむ |
句ごとの解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。
情景
- 意味
- 洞庭湖を含み長江を呑む雄大な眺め
- 例
- 銜遠山、呑長江 → 遠山を銜み、長江を呑む
- ポイント
- 「銜む」「呑む」で湖の大きさを示す。
対比
- 意味
- 雨の日の悲しみと晴れた日の喜び
- 例
- 感極而悲者矣/其喜洋洋者矣 → 感極まりて悲しむ者なり/其の喜び洋洋たる者なり
- ポイント
- 二つの心情を対比して並べる。
転換
- 意味
- 古の仁人はこの二つと違っていた
- 例
- 予嘗求古仁人之心、或異二者之為 → 予嘗て古の仁人の心を求むるに、或いは二者の為に異なる
- ポイント
- 景色による心情の動揺を超える存在を示す。
主題
- 意味
- 天下の憂いに先立って憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ
- 例
- 先天下之憂而憂、後天下之楽而楽 → 天下の憂ひに先立ちて憂ひ、天下の楽しみに後れて楽しむ
- ポイント
- 「先憂後楽」の語源。
押韻・対句と読解の要点
| 「先憂後楽」 | この文が語源。為政者の心構えを示す言葉として使われる。 |
|---|---|
| 構成の転換 | 前半=景色と心情の対比、後半=政治論。「予嘗求〜」から論に転じる。 |
| 「先〜而〜、後〜而〜」 | 対句。「先立って」「後れて」の対応を正確に取る。 |
入試ではどう問われるか
「先天下之憂而憂」の書き下しと意味が最頻出です。「天下の憂ひに先立ちて憂ふ」と読み、為政者は民より先に憂い、後で楽しむべきだ、と答えます。
本ページは作品解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
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よくある質問
「岳陽楼記」の作者は誰ですか。
北宋の范仲淹です。
「先憂後楽」の由来は何ですか。
この文の「先天下之憂而憂、後天下之楽而楽」が語源です。
どんな構成の文章ですか。
前半で景色と心情の対比を描き、後半で為政者の心構えを論じます。
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