陋室銘 ―― 劉禹錫・粗末な家を誇る
粗末な住まいを題材に、建物ではなく住む人の徳が大切だと説いた短い銘です。対句を重ねた簡潔な構成が特徴です。
陋室銘 の全文と書き下し
| 項目 | 働き | 例(白文) | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 導入 | 山は高さではなく仙人がいれば名高い | 山不在高、有仙則名 | 山は高きに在らず、仙有れば則ち名あり |
| 対句 | 水は深さではなく竜がいれば霊験がある | 水不在深、有竜則霊 | 水は深きに在らず、竜有れば則ち霊なり |
| 主題 | この家は粗末だが、私の徳が香る | 斯是陋室、惟吾徳馨 | 斯れ是れ陋室なれども、惟だ吾が徳馨し |
| 結び | 孔子いわく「何の陋しきことか之れ有らん」 | 孔子云、何陋之有 | 孔子云ふ、何の陋しきこと之れ有らんと |
句ごとの解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。
導入
- 意味
- 山は高さではなく仙人がいれば名高い
- 例
- 山不在高、有仙則名 → 山は高きに在らず、仙有れば則ち名あり
- ポイント
- 「在らず」で否定し、条件を示す。
対句
- 意味
- 水は深さではなく竜がいれば霊験がある
- 例
- 水不在深、有竜則霊 → 水は深きに在らず、竜有れば則ち霊なり
- ポイント
- 前の句と完全な対句。
主題
- 意味
- この家は粗末だが、私の徳が香る
- 例
- 斯是陋室、惟吾徳馨 → 斯れ是れ陋室なれども、惟だ吾が徳馨し
- ポイント
- 「惟だ」は限定。「馨し」は香り高い。
結び
- 意味
- 孔子いわく「何の陋しきことか之れ有らん」
- 例
- 孔子云、何陋之有 → 孔子云ふ、何の陋しきこと之れ有らんと
- ポイント
- 『論語』の引用で結ぶ。反語。
押韻・対句と読解の要点
| 「不在〜、有〜則〜」 | 否定と条件を組み合わせた対句。二句が完全に対応している。 |
|---|---|
| 「何陋之有」 | 倒置+反語。本来「有何陋」を「何陋之有」と倒置し、「之」で強調する。 |
| 銘という文体 | 「銘」は戒めや志を短く刻む文体。対句と押韻を用いる。 |
入試ではどう問われるか
「何陋之有」の倒置が最頻出です。本来の語順「有何陋」を倒置し「之」で強調した形で、反語として「何の見苦しいことがあろうか」と訳します。
本ページは作品解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
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よくある質問
「陋室銘」の作者は誰ですか。
唐の劉禹錫です。
「何陋之有」はどんな形ですか。
倒置+反語です。本来「有何陋」を倒置し、「之」で強調しています。
何を主張した文章ですか。
住まいの立派さではなく、住む人の徳が大切だということです。
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