桃花源記 ―― 陶淵明・理想郷の物語
漁師が偶然たどり着いた戦乱を知らない村を描いた文章です。「桃源郷」という語の由来で、二度と行けなくなる結末が主題を担います。
桃花源記 の全文と書き下し
| 項目 | 働き | 例(白文) | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 発端 | 漁師が桃の林に迷い込む | 忽逢桃花林、夾岸数百歩 | 忽ち桃花の林に逢ふ、岸を夾むこと数百歩 |
| 発見 | 山の穴を抜けると別世界が開ける | 初極狭、纔通人。復行数十歩、豁然開朗 | 初め極めて狭く、纔かに人を通ず。復た行くこと数十歩、豁然として開朗なり |
| 村人の話 | 秦の乱を避けてここに来た | 自云先世避秦時乱、率妻子邑人来此絶境 | 自ら云ふ、先世秦時の乱を避け、妻子邑人を率ゐて此の絶境に来たると |
| 結末 | 再び訪ねようとしたが道が分からない | 尋向所誌、遂迷不復得路 | 向に誌しし所を尋ぬるも、遂に迷ひて復た路を得ず |
句ごとの解説
例文はすべてこのページ用に作成したものです。
発端
- 意味
- 漁師が桃の林に迷い込む
- 例
- 忽逢桃花林、夾岸数百歩 → 忽ち桃花の林に逢ふ、岸を夾むこと数百歩
- ポイント
- 「忽ち」は突然。偶然の出会いから始まる。
発見
- 意味
- 山の穴を抜けると別世界が開ける
- 例
- 初極狭、纔通人。復行数十歩、豁然開朗 → 初め極めて狭く、纔かに人を通ず。復た行くこと数十歩、豁然として開朗なり
- ポイント
- 狭い穴から広い世界へ、という空間の転換。
村人の話
- 意味
- 秦の乱を避けてここに来た
- 例
- 自云先世避秦時乱、率妻子邑人来此絶境 → 自ら云ふ、先世秦時の乱を避け、妻子邑人を率ゐて此の絶境に来たると
- ポイント
- 「絶境」は外界から隔絶した地。
結末
- 意味
- 再び訪ねようとしたが道が分からない
- 例
- 尋向所誌、遂迷不復得路 → 向に誌しし所を尋ぬるも、遂に迷ひて復た路を得ず
- ポイント
- 目印を付けたのに見つからない。理想郷は二度と訪れない。
押韻・対句と読解の要点
| 「桃源郷」の由来 | この文章から生まれた語。戦乱のない理想郷を指す。 |
|---|---|
| 結末の意味 | 目印を付けたのに二度と行けない。理想郷は現実には存在しないことを示唆する。 |
| 「絶境」 | 外界から隔絶した土地。現代語の「絶体絶命」とは意味が異なる。 |
入試ではどう問われるか
なぜ二度と行けなくなるのかを説明させる設問が定番です。理想郷が現実には到達できないものであることを示す結末だと答えます。「絶境」など、現代語と意味が異なる語の解釈も問われます。
本ページは作品解説です。特定の大学・年度の出題内容については扱っていません。
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よくある質問
「桃花源記」の作者は誰ですか。
東晋の陶淵明です。
「桃源郷」の由来は何ですか。
この文章に描かれた、戦乱を知らない理想の村が由来です。
なぜ二度と行けないのですか。
理想郷が現実には到達できないものであることを示す結末になっています。
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