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故事成語とは、中国の古典に記された出来事に由来し、決まった意味をもつようになった言葉のことです。

入試では意味を答えるだけでなく、出典になった話そのものが漢文の本文として出題され、書き下し文や内容説明を求められます。このページから、語ごとの解説(原文・書き下し文・現代語訳・由来)へ進めます。

故事成語 一覧(公開済み)

意味 出典
矛盾
むじゅん
話のつじつまが合わないこと。前に言ったことと後に言ったことが両立しな 『韓非子』難一 解説 →
四面楚歌
しめんそか
まわりがすべて敵で、助けがなく孤立していること。 『史記』項羽本紀 解説 →
臥薪嘗胆
がしんしょうたん
目的を果たすために、長い間の苦労に耐えること。 『十八史略』ほか(「嘗胆」は『史記』越王句践世家) 解説 →
蛇足
だそく
余計なつけ足し。あってもかえって悪くなるもの。 『戦国策』斉策 解説 →
漁夫の利
ぎょふのり
二者が争っているすきに、第三者が利益を横取りすること。 『戦国策』燕策 解説 →
五十歩百歩
ごじっぽひゃっぽ
少しの違いはあっても、本質的には同じであること。 『孟子』梁恵王上 解説 →
背水の陣
はいすいのじん
もう後がない状況に自らを置き、全力で事にあたること。 『史記』淮陰侯列伝 解説 →
塞翁が馬
さいおうがうま
人生の幸不幸は予測できず、目先の出来事で一喜一憂すべきではないという 『淮南子』人間訓 解説 →
杞憂
きゆう
起こるはずのないことを心配すること。取り越し苦労。 『列子』天瑞 解説 →
推敲
すいこう
文章の字句を何度も練り直すこと。 『唐詩紀事』ほか(賈島の逸話) 解説 →
虎の威を借る狐
とらのいをかるきつね
他人の権勢を頼りにして威張ること。 『戦国策』楚策 解説 →
朝三暮四
ちょうさんぼし
目先の違いにとらわれて、結果が同じであることに気づかないこと。また、 『荘子』斉物論(『列子』黄帝にも) 解説 →
温故知新
おんこちしん
昔のことを学び直して、そこから新しい意味を見つけ出すこと。 『論語』為政 解説 →
呉越同舟
ごえつどうしゅう
仲の悪い者どうしが、同じ場所に居合わせること。また、共通の困難に対し 『孫子』九地 解説 →
画竜点睛
がりょうてんせい
物事を完成させるための、最後の大切な仕上げ。 『歴代名画記』(張僧繇の逸話) 解説 →
蛍雪の功
けいせつのこう
苦労して勉学に励み、成果を上げること。 『晋書』ほか(車胤・孫康の逸話。『蒙求』にも収める) 解説 →
守株
しゅしゅ
古い習慣にとらわれて、融通がきかないこと。過去の幸運をあてにすること 『韓非子』五蠹 解説 →
助長
じょちょう
手を貸したつもりが、かえって害になること。また、勢いを強めること。 『孟子』公孫丑上 解説 →
完璧
かんぺき
欠点がまったくないこと。また、預かったものを無傷で返すこと。 『史記』廉頗藺相如列伝 解説 →
登竜門
とうりゅうもん
そこを通れば立身出世できるとされる、難しい関門。 『後漢書』李膺伝 解説 →
断腸の思い
だんちょうのおもい
はらわたがちぎれるほどの、深い悲しみ。 『世説新語』黜免 解説 →
鶏口牛後
けいこうぎゅうご
大きな集団の末端にいるより、小さくても頭になるほうがよいということ。 『史記』蘇秦列伝ほか 解説 →
傍若無人
ぼうじゃくぶじん
人前をはばからず、勝手気ままにふるまうこと。 『史記』刺客列伝 解説 →
国士無双
こくしむそう
国内に並ぶ者がいないほど、すぐれた人物。 『史記』淮陰侯列伝 解説 →
刎頸の交わり
ふんけいのまじわり
その人のためなら首を切られても悔いない、と思えるほど深い友情。 『史記』廉頗藺相如列伝 解説 →
覆水盆に返らず
ふくすいぼんにかえらず
一度してしまったことは、取り返しがつかないということ。 『拾遺記』ほか(太公望の逸話。『十八史略』にも見える) 解説 →
他山の石
たざんのいし
他人のよくない言動も、自分を磨く助けになるということ。 『詩経』小雅・鶴鳴 解説 →
四知
しち
悪事は必ず露見するということ。誰も見ていなくても天地は知っている。 『後漢書』楊震伝 解説 →
鼎の軽重を問う
かなえのけいちょうをとう
地位にある人の実力を疑い、その立場を奪おうとすること。 『春秋左氏伝』宣公三年 解説 →
白眉
はくび
同類のなかで最もすぐれているもの。 『三国志』蜀書・馬良伝 解説 →
羊頭狗肉
ようとうくにく
見かけは立派だが、中身がそれに伴わないこと。 『無門関』ほか(原型は『晏子春秋』の「牛首を懸けて馬肉を売る」) 解説 →
先んずれば人を制す
さきんずればひとをせいす
人より先に行動すれば、有利な立場に立てるということ。 『史記』項羽本紀 解説 →
泣いて馬謖を斬る
ないてばしょくをきる
規律を守るために、たとえ愛する者であっても私情を捨てて処分すること。 『三国志』蜀書 解説 →
三顧の礼
さんこのれい
目上の者が、礼を尽くして何度も人材を訪ねること。 『三国志』蜀書・諸葛亮伝(「出師表」にも見える) 解説 →
水魚の交わり
すいぎょのまじわり
水と魚のように、切り離せないほど親密な関係。 『三国志』蜀書・諸葛亮伝 解説 →
管鮑の交わり
かんぽうのまじわり
利害を超えて互いを深く理解し合う、変わらぬ友情。 『史記』管晏列伝 解説 →
五里霧中
ごりむちゅう
方針や見通しが立たず、どうしてよいか分からない状態。 『後漢書』張楷伝 解説 →
邯鄲の夢
かんたんのゆめ
人生の栄華がはかないものであることのたとえ。 『枕中記』(沈既済) 解説 →
刮目して相待つ
かつもくしてあいまつ
目をこすってよく見るほど、人の成長を認めて見直すこと。 『三国志』呉書・呂蒙伝の注 解説 →
危急存亡の秋
ききゅうそんぼうのとき
生き残るか滅びるかの瀬戸際にある、重大な時期。 「出師表」(諸葛亮) 解説 →
捲土重来
けんどちょうらい
一度敗れた者が、勢いを盛り返して再び攻め寄せること。 杜牧「題烏江亭」 解説 →
泰山北斗
たいざんほくと
その分野で最も尊敬される権威者。 『新唐書』韓愈伝 解説 →
李下に冠を正さず
りかにかんむりをたださず
疑いを招くような行いは、はじめから避けるべきだということ。 古楽府「君子行」 解説 →
苛政は虎よりも猛し
かせいはとらよりもたけし
むごい政治は、人を食う虎よりも恐ろしいということ。 『礼記』檀弓下 解説 →
朝令暮改
ちょうれいぼかい
命令や方針がすぐに変わって、あてにならないこと。 『漢書』食貨志 解説 →
累卵の危うき
るいらんのあやうき
積み重ねた卵のように、きわめて不安定で危険な状態。 『史記』范雎蔡沢列伝ほか 解説 →
食指が動く
しょくしがうごく
あるものに対して欲望や興味がわくこと。 『春秋左氏伝』宣公四年 解説 →
杜撰
ずさん
いいかげんで、誤りが多いこと。 『野客叢書』(宋の逸話。諸説あり) 解説 →
破天荒
はてんこう
これまで誰も成し得なかったことを、初めて成し遂げること。 『北夢瑣言』 解説 →
塗炭の苦しみ
とたんのくるしみ
泥にまみれ火に焼かれるような、ひどい苦しみ。 『書経』(尚書)仲虺之誥 解説 →
圧巻
あっかん
全体の中で最もすぐれている部分。 科挙の答案にまつわる故事(出典には諸説あり) 解説 →
呑舟の魚
どんしゅうのうお
舟を丸のみするほどの大魚。転じて、並外れた大人物。 『荘子』庚桑楚ほか 解説 →
過ぎたるは猶及ばざるが如し
すぎたるはなおおよばざるがごとし
やりすぎることは、足りないことと同じようによくないということ。 『論語』先進 解説 →
巧言令色
こうげんれいしょく
言葉を飾り、表情をつくろって人に取り入ること。 『論語』学而 解説 →
和して同ぜず
わしてどうぜず
人と協調はするが、安易に同調はしないということ。 『論語』子路 解説 →
三人行けば必ず我が師あり
さんにんゆけばかならずわがしあり
誰からでも学ぶべきところがあるということ。 『論語』述而 解説 →
義を見てせざるは勇なきなり
ぎをみてせざるはゆうなきなり
人として当然すべきことを知りながら実行しないのは、勇気がないというこ 『論語』為政 解説 →
朋有り遠方より来たる
ともありえんぽうよりきたる
志を同じくする友が遠くから訪ねてくる喜び。 『論語』学而 解説 →
歳寒くして松柏の凋むに後るるを知る
としさむくしてしょうはくのしぼむにおくるるをしる
困難な状況に至って初めて、人の真価が分かるということ。 『論語』子罕 解説 →
己の欲せざる所は人に施すこと勿かれ
おのれのほっせざるところはひとにほどこすことなかれ
自分がされたくないことは、他人にもしてはいけないということ。 『論語』衛霊公 解説 →
後生畏るべし
こうせいおそるべし
若い世代は将来どこまで伸びるか分からないので、侮ってはならないという 『論語』子罕 解説 →
知らざるを知らずと為す
しらざるをしらずとなす
知らないことを知らないと認めることが、本当の知だということ。 『論語』為政 解説 →
隗より始めよ
かいよりはじめよ
大事を始めるには、まず身近なところから着手せよということ。また、言い 『戦国策』燕策 解説 →
虎穴に入らずんば虎子を得ず
こけつにいらずんばこじをえず
危険を冒さなければ、大きな成果は得られないということ。 『後漢書』班超伝 解説 →
百聞は一見に如かず
ひゃくぶんはいっけんにしかず
何度も聞くより、一度自分の目で見るほうが確かだということ。 『漢書』趙充国伝 解説 →
良薬は口に苦し
りょうやくはくちににがし
本当に役に立つ忠告は、聞くのがつらいものだということ。 『孔子家語』ほか(『説苑』にも近い記述) 解説 →
井の中の蛙
いのなかのかわず
狭い世界しか知らず、広い世界を知らないこと。 『荘子』秋水 解説 →
刻舟求剣
こくしゅうきゅうけん
状況の変化に気づかず、古いやり方に固執すること。 『呂氏春秋』察今 解説 →
孟母三遷
もうぼさんせん
子どもの教育のためには、環境を選ぶことが大切だということ。 『列女伝』 解説 →
断機の戒め
だんきのいましめ
学問は途中でやめては意味がない、という戒め。 『列女伝』 解説 →
鼓腹撃壌
こふくげきじょう
民衆が満ち足りて、平和な世を楽しんでいること。 『十八史略』ほか(堯の治世の逸話) 解説 →
君子豹変す
くんしひょうへんす
すぐれた人物は、過ちに気づけばためらわず改めるということ。 『易経』革卦 解説 →

出典で押さえる

故事成語は、出典の書名ごとにまとめて覚えると定着します。頻出は次の6つで、この範囲を押さえるだけで多くをカバーできます。

『史記』 四面楚歌/背水の陣 など。歴史上の人物の行動に由来するものが多い。
『戦国策』 蛇足/漁夫の利/虎の威を借る狐 など。遊説家の説得の比喩から生まれた。
『韓非子』 矛盾 など。法家の立場から他説を批判する例え話が中心。
『孟子』 五十歩百歩 など。王をいさめる場面で用いられた比喩。
『荘子』『列子』 朝三暮四/杞憂 など。寓話の形で価値観を問い直す。
『淮南子』 塞翁が馬 など。

順次公開する語

以下の語も、同じ形式(意味・出典・原文・書き下し文・現代語訳・由来・使い方)で追加します。

髀肉の嘆臥竜鳳雛枕を高くする疑心暗鬼天高く馬肥ゆる秋隗より始めよ断機の戒め孟母三遷蛍窓雪案鼓腹撃壌画蛇添足刻舟求剣塞翁失馬の類井の中の蛙鶴の一声虎穴に入らずんば虎子を得ず百聞は一見に如かず良薬は口に苦し過ぎたるは猶及ばざるがごとし君子豹変す巧言令色和して同ぜず剛毅木訥三人行けば必ず我が師あり義を見てせざるは勇なきなり朋有り遠方より来たる歳寒くして松柏の凋むに後るるを知る

覚え方

  1. 語だけを暗記しない。出典の書名と話の筋をセットで覚えます。話が入っていれば意味は自然に出てきます。
  2. 原文の短い句を1つ覚える。「蛇固より足無し」のように、一句だけでも覚えておくと本文で出会ったときに気づけます。
  3. 本文で出題される前提で読む。意味の暗記だけでは、出典が本文として出たときに書き下し文が作れません。

手を動かす教材は、国語ドリル全52枚を登録不要・無料で公開しています。漢文の助字・虚詞一覧もあわせてご覧ください。

よくある質問

故事成語とは何ですか。

中国の古典に記された出来事(故事)に由来し、決まった意味をもつようになった言葉のことです。「矛盾」「蛇足」「五十歩百歩」などがあり、多くは『史記』『戦国策』『韓非子』『孟子』などに出典があります。

故事成語は入試でどう問われますか。

意味を答える設問のほか、漢文の本文中に出典となった話が出題され、書き下し文・現代語訳・内容説明を求められる形が多くあります。意味だけでなく、由来になった話の筋を押さえておくと解けます。

覚え方のコツはありますか。

語だけを暗記せず、出典の書名と話の筋をセットで覚えてください。話が入っていれば意味は自然に出てきますし、本文で出題されたときにも対応できます。

出典の書名まで覚える必要がありますか。

主要なものは覚えておく価値があります。『史記』『戦国策』『韓非子』『孟子』『荘子』『列子』の6つを押さえるだけで、頻出の故事成語の多くをカバーできます。

漢文の答案を見てもらえます

故事成語は、出典が本文として出たときに書き下し文が作れるかで差がつきます。プロ講師が一対一で赤を入れて指導します。

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